キャッシュレス化進む スマホで決済、100店舗余導入 与論島

2019年06月15日

社会・経済 

店頭にあるQRコードをスマホのアプリで読み取る仕組みのキャッシュレス決済=12日、ヨロン島観光協会事務所

店頭にあるQRコードをスマホのアプリで読み取る仕組みのキャッシュレス決済=12日、ヨロン島観光協会事務所

 【沖永良部総局】与論島で現金を扱わない、スマートフォンのアプリを利用したキャッシュレス決済が急速に普及している。島内の関係者は「店側の経理事務の省力化や、旅行者の購買意欲の喚起につながる」と期待する。

 

 今年3月から、ヨロン島観光協会(永井新孝会長)と決済事業者の大手「PayPay(ペイペイ)㈱」が共同で島内のキャッシュレス化を推進する「ヨロン島キャッシュレスアイランドプロジェクト」を始動させた。

 

 導入に伴う店舗側の初期負担がないため、観光協会や町商工会の加盟店を中心に続々とペイペイ決済を導入。小売りや飲食業、宿泊業、ガソリンスタンドなどに加え、ダイビングやレンタカー、美容院、建材店、司法書士事務所など、これまでに少なくとも100店舗以上が導入している。

 

 キャッシュレス決済は、クレジットカードや電子マネーを利用し現金を使わずに支払う方法。ペイペイは店頭に表示してあるQRコードを買い物客がスマホで読み取るか、客が掲示したコードを店側が端末で読み取る方式の2通りの方法がある。料金はアプリに連動する利用者の預金口座やクレジットカードから引き落とされる。

 

 同観光協会によると、以前から「島内の店でクレジットカードが使えない」「ATM(現金自動預払機)が少ない」といった旅行者の声があり、観光面での課題だった。

 同協会の本園秀幸副会長は「海へ泳ぎに行く際など財布は宿泊先に置いて、スマホだけ持ち歩く旅行者も多い。スマホ一つで買い物ができれば便利だし、購買意欲の喚起につながると思う」と話した。

 

 同協会事務所もペイペイ決済を導入している。スタッフの里山剛志さんは「小銭のやり取りがないのは便利。利用者は今のところ1割程度」と語った。

 観光客が増える夏休みシーズンに向け、島内では同協会が主体となったキャッシュレス決済によるイベントも計画している。