二つの広域組織設立へ/「あしたの加計呂麻島」、瀬戸内町

2018年01月26日

社会・経済 

二つの広域組織設立に向け、協議を深めた設立発起人総会=21日、瀬戸内町加計呂麻島

二つの広域組織設立に向け、協議を深めた設立発起人総会=21日、瀬戸内町加計呂麻島

 瀬戸内町加計呂麻島の活性化に向けた「あしたの加計呂麻島プロジェクト」の東部(旧鎮西村)地区における広域水土里(みどり)保全協会と合同会社の設立発起人総会が21日、加計呂麻島・生間集落公民館であった。東部地区の住民有志と同プロジェクト事務局の計23人が出席。広域的な連携、協働による集落景観の保全活動や経済事業を具体化する方針を確認した。両組織の設立総会は2018年4月を予定。

 

 同プロジェクトは17年4月に始動。5カ年計画で、▽地域資源や景観保全▽分担生産・直売事業システムの構築▽6次産業の発展▽観光地開拓▽教育の充実▽情報発信―の6分野で取り組みを進め、「総合的な地域創生基盤づくり」を目指している。

 

 設立を予定している広域水土里保全協会は、島内にある重機類やオペレーターを事前登録。人手が足りない集落に入り、地区全体で農道や用水路などの地域資源や集落景観の保全活動を行えるようにする。

 

 合同会社が計画する「サタやどぅりスイーツ・ロード形成事業(仮称)」は、ハーベスターで収穫したサトウキビを活用できる製造工場を建設するほか、地場産果物を原料とした特産品を開発し、直売施設で販売。これらの農、製造作業を体験できる滞在型観光につなげたい考えだ。

 

 18年度以降は東部地区をモデルに、西部(旧実久村)地区でも両組織を立ち上げる予定で、同プロジェクトの浜田英浩筆頭共同代表(81)は「島に若い働き手が少なくなる中、協力し合って活動できる体制が必要。将来的には加計呂麻島全地域にこの取り組みを広げ、活性化させていきたい」と話した。