大和村、10万円給付開始

2020年05月09日

政治・行政

特別定額給付金の10万円を受け取る村民(中央)=8日、大和村思勝

特別定額給付金の10万円を受け取る村民(中央)=8日、大和村思勝

  新型コロナウイルスの緊急経済対策として、国民1人当たり10万円を配る「特別定額給付金」の給付が8日、奄美12市町村のトップを切って大和村で始まった。県内では肝付町に続き2番目とみられる。午後から各集落の公民館に村職員が出向き、申請と現金による給付を一括して実施。対象者の8割に当たる1150人が10万円を受け取った。

 

 給付金は住民基本台帳(4月27日時点)に記載されている全ての人が対象で、同村の対象者は1437人。

 

 本来は郵送とマイナンバーカードを使ったオンラインでの受け付けが基本だが、同村は早期給付を念頭に、申請と給付の一括実施を決めた。世帯数が少ない志戸勘のみ職員が戸別訪問で対応した。

 

 思勝集落(田中一幸区長、72世帯・133人)では、午後1時半から同集落コミュニティセンターで給付が始まった。感染対策としてアルコール消毒での手の除菌と、マスク未着用で来た人に紙マスクが配られた。また3密を防ぐため、部屋への入場は最大5人に制限して行われた。

 

 給付作業は集落民の顔と名前を知る区長、民生委員の立ち合いの下で行われ、職員が詐欺被害への注意も呼び掛けていた。

 

 一番に給付を受けた森節子さん(89)は「(給付金に関する)テレビを見ながら、いつ給付されるのか気になっていたので、早めに受け取れてほっとした。生活の足しにします」と喜んだ。

 

 田中区長(66)は「集落には高齢者が多い。郵送(で届く申請書に記入して返送)するやり方では戸惑う人がいたかも。職員の目の前で申請書を記入して給付を受ける方が、分かりやすい」と語った。

 

 伊集院幼村長は「全村民が不要不急な外出自粛の要請に協力いただく中、少しでも早く給付することが、恩返しになると考えての対応。小規模な自治体だからこそできたこと」と話した。

 

 同村住民税務課によると、仕事などの都合で同日に受け取れなかった場合、9日以降しばらくは役場窓口(仮庁舎の防災センター1階)での申請、受給が可能。直接の来庁が難しい世帯には郵送での申請にも対応する。