戦争を考えるきっかけに

2014年08月15日

社会・経済 

出征前に受け取った国旗を手に体験継承の必要性を語る美佐さん=14日、奄美市名瀬

出征前に受け取った国旗を手に体験継承の必要性を語る美佐さん=14日、奄美市名瀬

 太平洋戦争の終結から15日で69年。当時の体験者が減る中、戦争の記憶を物語る資料は年々重要性を増している。それらを守り続けている元陸軍兵が奄美市名瀬の美佐利雄さん(90)だ。「どんな状況でも争い事は許されない。過ちを繰り返さないために戦争の悲惨さを伝え続ける」。平和の尊さをかみしめ節目の1日を迎える。
 美佐さんは1944年11月から1年間、徳之島で兵役に就いた。戦況の悪化で死への恐怖を抱えながら訓練に明け暮れる日々。そのころ肌身離さず持っていたのが千人針の腹巻きだ。「家族や友人の魂がこもった宝物」を心の支えに任務を終え、名瀬の街へ戻った。
 出征のときに受け取った寄せ書き入りの国旗、母親にもらったお守り…。今も自宅には多くの資料が残る。69回目の終戦記念日が翌日に迫った14日、その全てを初めて子どもたちに見せた。
 「実物に触れれば戦争を考えるきっかけになる。元気なうちに記憶をつないでいきたい」と使命感を新たにする美佐さん。「体験者の願いはただ一つ。国と国との争いを繰り返さないことだ。外交で解決する努力を諦めないでほしい」と語った。