東京で成果報告会 紬Nextプロジェクト

2019年06月25日

社会・経済 

大島紬の現状と若手の取り組みを報告する南リーダー(左から2人目)=東京・渋谷の飲食店

大島紬の現状と若手の取り組みを報告する南リーダー(左から2人目)=東京・渋谷の飲食店

  【東京支社】本場奄美大島紬組合青年部が若手職人の育成を目的に取り組んでいる「本場奄美大島紬Nextプロジェクト」の活動報告会がこのほど、東京・渋谷であった。会場ではインターネットを通じて出資を募るクラウドファンディングで完成させた反物から仕立てた着物が披露された。報告会の様子はインターネットでライブ配信され、プロジェクト賛同者や大島紬ファンの声を今後の製品作りに反映させる試みも行われた。

 

 同プロジェクトは「若い世代で作り、若い世代に届ける」をスローガンに、2017年からスタート。報告会の冒頭、プロジェクトリーダーの南晋吾さんは「後継者が減り、数年後には本場奄美大島紬を作ることが困難になるという危機に直面している」と現状を報告。「大島紬に若い世代の作り手の感覚を加えて発展させ、次の若い世代に着物を着てもらうことが必要」とプロジェクトの目標を紹介した。

 

 参加者からは「インターネットを通じてプロジェクトの進捗(しんちょく)状況が工程ごとに報告され、プロジェクトに参加していることを実感できる」といった意見や「成果物として『小柄龍郷広幅』を受け取った。従事された方々の顔写真とメッセージと共に私の宝物になるでしょう」といった声が寄せらた。

 

 同プロジェクトは、若手の技術向上による将来的な賃金アップや、次世代への技術継承に向けて今後も情報発信していく。