過去最多26回を予定 名瀬港、18年度観光船寄港

2018年04月02日

社会・経済 

年間最多となる11回の寄港を予定している「サン・プリンセス」=2014年5月1日、奄美市の名瀬港

年間最多となる11回の寄港を予定している「サン・プリンセス」=2014年5月1日、奄美市の名瀬港

 奄美市紬観光課によると、2018年度の名瀬港への観光船寄港は7隻26回が予定されている。20回以上の客船寄港は初めてで、これまで最も多かった14年度と17年度(いずれも13回)の2倍。実現すれば誘客人数も過去最多の14年の1万1216人を上回る可能性がある。8、9の両月は月間5回の寄港が見込まれており、今年夏の実現が期待される世界自然遺産登録への動きなどが寄港増の背景にあるとみられる。

 

 寄港を計画している7隻のうち5隻が外国船籍。これまでに寄港した船で最大だった英国船籍の「サン・プリンセス」(7万7441トン)が7月から9月にかけ11回寄港するという。

 

 4月にはオランダ船籍の「フォーレンダム」(6万906トン)、5月にイタリア船籍の「コスタネオロマンチカ」(5万6769トン)、8月にバハマ船籍の「スーパースターアクエリアス」(5万1039トン)が初寄港の予定。

 

 国内船は「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594トン)が4月から来年3月までに4回、「にっぽん丸」(2万2472トン)が5月から10月までに3回の寄港が見込まれている。

 客船観光は宿泊を伴わないものの、買い物や島内ツアー、食事などに伴う経済効果は高いとされ、市は1人当たり2万1千円と試算。18年度は5万トン超の大型船の寄港が18回計画されており、市は経済効果の大きさに期待している。

 

 一方、外国船の寄港が大半を占めることから、受け入れ地にとっては外国人観光客への対応が課題だ。市は19年度から国の実践型地域雇用創造事業に基づき、外国人観光客に対応できる人材育成や雇用拡大事業などを奄美産業活性化協議会に委託し、環境整備も進めている。

 

 同市紬観光課は「英会話での接遇セミナー開催など、地元の動きも活発。官民が連携し、今後ますます増加が予想される外国人観光客への対応の質を高めていきたい」としている。