高品質産地へ奄美一丸 かんきつ大会、宣言採択

2020年01月19日

社会・経済 

産地振興への取り組みを確認した奄美群島かんきつ振興大会=18日、奄美市名瀬

産地振興への取り組みを確認した奄美群島かんきつ振興大会=18日、奄美市名瀬

 第4回奄美群島かんきつ振興大会(奄美群島農政推進協議会主催)は18日、奄美市名瀬の集宴会施設であった。▽安全・安心で高品質な果実生産▽災害に強い産地づくり―など4項目の大会宣言を採択。基調講演や事例発表もあり、産地振興へ関係者が一丸となって取り組むことを確認した。

 

 かんきつ類の栽培技術向上や銘柄確立に加え、生産者経営の規模拡大や安定を図ることを目的に3年に1度開催している。今回は群島内から生産農家やJA、行政など関係者約150人が出席した。

 

 イオン九州政策グループマネージャーの福山博久さんが「お客さまのニーズに学ぶ」、鹿児島大学農学部教授の山本雅史さんが「奄美群島のカンキツの特性とその活用」をテーマにそれぞれ基調講演した。

 

 福山さんは、全国的な消費者動向について説明すると同時に、銘柄確立に向けては「おいしいだけでなく、自然環境にやさしい栽培など倫理的なものが重要な時代となっている」と助言した。

 

 山本さんは、国内外のかんきつ類の起源や遺伝的な区別、果実の特性などを紹介。タンカンや奄美在来種に多く含まれる健康成分などについても解説した。

 

 このほか、県農業開発総合センター大島支場研究専門員の坂上陽美さんが「タンカン新品種『平井Red』の特性」、徳之島町柑橘生産組合長の是枝純一さんが「K―GAP認証と課題」についてそれぞれ事例発表した。優秀農家や優良農業団体の表彰もあった。

 

 大会後には奄美市名瀬朝戸の奄美大島選果場や同市住用町役勝のタンカン果樹園などの現地視察もあった。

 被表彰者は次の通り。(敬称略)

 ▽優秀農家 松元修一(奄美市)、徳富フミエ(徳之島町)▽優秀農業団体 奄美柑橘クラブ(奄美市)