龍郷町住宅地2・8%上昇 県平均は27年連続下落 県内19年地価公示

2019年03月20日

社会・経済 

3%超の上昇地点もあった龍郷町玉里の住宅地=19日

3%超の上昇地点もあった龍郷町玉里の住宅地=19日

 国土交通省は19日、2019年1月1日を基準日とした地価公示価格を発表した。県内35市町291地点の平均変動率は前年比マイナス1・0%で27年連続の下落となったが、下落幅は8年連続で縮小した。市町村別の平均価格は龍郷町の住宅地が2・8%、奄美市の住宅地が0・7%前年を上回った。住宅地の平均価格が前年を上回ったのは奄美の2市町と鹿児島市(0・1%上昇)だけで、龍郷町の上昇率が最も高かった。奄美群島の市町村の平均地価が前年を上回ったのは、06年の市町村合併で新たな自治体の枠組みとなってから初めて。

 

 調査を行ったのは住宅地193地点、商業地93地点、工業地4地点、宅地見込み地1地点。県内で最も高かったのは鹿児島市の商業地平均価格(1平方㍍)で、27万1300円。前年比0・9%上昇した。天文館地区の再開発事業などの影響を受けたとみられる。

 

 奄美では8市町の計20地点を調べた。住宅地で県内最高の上昇率となった龍郷町の平均価格は1万2300円。奄美市の住宅地平均価格は8万600円だった。同市の商業地平均価格は前年同額の13万4500円だった。

 

 用途別の傾向は次の通り。

 

 【住宅地】県平均は4万2500円。下落率は前年の1・4%から1・0%へ縮小したが、景気動向や少子高齢化を背景に21年連続で下落した。

 

 市町村別の平均価格は鹿児島市の8万9200円が最も高く、奄美市8万600円。瀬戸内町3万3000円、徳之島町3万1800円の順に高かった。上昇率が県内最高だった龍郷町は、奄美市のベッドタウンでもあり、安価な価格水準が需要を喚起したとみられる。

 

 県内の最高価格地点は鹿児島中央駅周辺の鹿児島市西田2丁目16番27で24万8千円。奄美市は名瀬伊津部町22番20で11万円だった。

 

 【商業地】県平均は12万3100円。下落幅は前年の1・4%から1・0%へ縮小したが、郊外の大型商業施設への顧客流出や商圏分散などが重なり、28年連続で下落した。

 

 市町村別の平均価格は鹿児島市の27万1300円が最高。奄美市13万4500円、瀬戸内町6万1600円の順だった。

 

 最高価格地点は鹿児島市東千石町13番34外で112万円。奄美は名瀬末広町10番25の15万4千円だった。

 

 【工業地】県平均は5万4200円で、21年連続の下落。下落幅は前年の1・0%から0・7%へ縮小した。