カンボジアの陸上選手 東京五輪目指し与論で自主トレ

自主トレで与論島に来島し、同町教育委員会を表敬訪問したチャン・リナさん=中央(同町教委提供)

自主トレで与論島に来島し、同町教育委員会を表敬訪問したチャン・リナさん=中央(同町教委提供)

 カンボジアの東京五輪・陸上(短距離走)強化選手に指定されているチャン・リナさん(37)=神奈川県在住=が6月20日から1週間の日程で、与論島で自主トレーニング合宿を行った。チャンさんは「11月にフィリピンで開かれる東京五輪出場選手選考会を兼ねた東南アジア大会で結果を出し、東京五輪にカンボジア代表として出場したい」と意気込んでいる。

 

 日本での永住権とカンボジア国籍を持つチャンさんは、幼い頃にカンボジア難民として両親と共に日本へ移住。高校まで神奈川で過ごした後、18歳から20代前半まで一人旅をしながら与論島、沖永良部島、沖縄本島など南の島を転々と移り住んだ。

 

 幼い頃からスポーツ万能で、30歳でカンボジア初の女子プロゴルファーの認定を受けた。ゴルフの基礎体力向上のため始めた陸上もすぐに才能が開花し、2018年ジャカルタで開かれた陸上競技のアジア大会で女子4×100㍍リレーのアンカーを走り、国際大会初出場を果たした。

 

 その後、カンボジア代表での東京五輪を目指してトレーニングを続けていたが、昨年11月のトレーニング中に右膝前十字靭帯(じんたい)損傷という大けがを負い、今年1月に手術を受けた。

 

 チャンさんは「今年の上半期はマイナスからのスタートだったが、トレーニングを始めるなら私が初めて親元を離れて暮らし、海の美しさに衝撃を受けた与論島で、と考えた。与論の友人から新しい競技場やジムができたと聞きリハビリを兼ねた自主トレに来た」と話した。

 

 今後は9月に大阪で開かれる第67回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会の4×100㍍リレーにカンボジアチームとして出場し、完全復帰を目指す。

 

 チャンさんは「東京五輪に出場し、大好きなスポーツを通してカンボジアの子どもたちが世界を知るきっかけになり、日本とカンボジアの懸け橋にもなれたら」と抱負を語った。