サンゴ礁文化継承へ 喜界島でフォーラム

事例発表や意見交換会があった喜界島サンゴ礁文化フォーラム=20日、喜界町役場

事例発表や意見交換会があった喜界島サンゴ礁文化フォーラム=20日、喜界町役場

  喜界島サンゴ礁文化フォーラム(環境省など主催)は20日、喜界町役場ホールであった。地元の有志団体らが登壇し、暮らしに豊かな恵みをもたらしてきたサンゴ礁との関わりや、その上で育まれた独自の文化などを紹介。サンゴ保全先進地との意見交換もあり、地域活性化をもたらす「サンゴ礁文化」の継承に向けて住民主体の取り組みと人材育成の重要性を確認した。

 

 

 フォーラムは喜界町、喜界島サンゴ礁科学研究所、世界自然保護基金ジャパン(WWF)が2018年から取り組む「サンゴの島の暮らし発見プロジェクト」の成果報告が目的。

 プロジェクトは環境省が策定した「サンゴ礁生態系保全行動計画2016―2020」のモデル事業で、サンゴ礁文化の掘り起こしや資源マップの作成、住民主体の保全・継承活動を支援してきた。

 

 

 事例発表で、昔ながらのサンゴの石垣が残り、奄美群島国立公園にも指定されている阿伝集落の「阿伝サンゴの石垣保存会」は伝統文化の継承に向けて地元の子どもたちと一緒にサンゴの石垣修復をしていると説明。集落の有志で組織する「荒木盛り上げ隊」はサンゴの石垣、灯ろう、石段に加え、化石サンゴを使った昔遊びが荒木集落に残ることを紹介した。

 

 

 阿伝集落で石垣の修復作業も体験している早町小学校の5年生は、事前に制作した動画で環境学習の成果を披露。サンゴの種類や特性のほか、地球温暖化や土砂の流出などの問題がサンゴにダメージを与え、生態系にも悪影響を及ぼしていることを取り上げた。

 

 

 05年からサンゴ礁の保全に取り組む沖縄県石垣島の白保集落の住民もリモートで出演。白保魚湧く海保全協議会の新里昌央さんが、サンゴ保全のルール作りや小学校への環境学習の出前授業、伝統漁法「海垣(インカチ)」の復元など、さまざまな取り組みを紹介した。

 

 

 パネルディスカッション形式の意見交換会には、リモート出演者も含めて12人が参加。100年後の未来にもサンゴ礁文化を残す方法については「次世代への継承で大事なのは人づくり。人を育てられる人を育てることが大切」(新里さん)などの意見があり、人材育成の取り組みとして早町小の活動が高い評価を受けた。

 

 

 最後は「喜界島サンゴ礁文化連絡協議会」の設立準備を進めていることが報告され、喜界島サンゴ礁科学研究所の渡邊剛理事長が「それぞれの知恵や経験がある。協力し合ってサンゴ礁文化を継承し、より良い未来につなげていくことができれば」と締めくくった。