与論町 台風24号襲来1カ月

台風で損壊した家の修理に自力で取り組む住民=10月27日、与論町

台風で損壊した家の修理に自力で取り組む住民=10月27日、与論町

 奄美各地に大きな被害をもたらした台風24号の襲来から1カ月。最大瞬間風速56・6メートルの猛烈な風が吹き、全世帯の2割を超す556棟の住家が被害を受けた与論町では、壊れた家の再建作業が続いている。固定電話の回線の復旧工事も続いており、住民生活への影響が長引いている。一方、観光面では被害を受けた観光拠点施設が11月1日にリニューアルオープンするなど明るい話題もある。

 

 台風24号は9月29日から30日にかけて奄美群島全域を風速25メートル以上の暴風域に巻き込み北上した。

 

 与論町茶花の上野福重さん(67)は台風が接近した9月29日深夜から30日未明にかけて突然、自宅の屋根が飛ばされた。強い雨風が吹き込んだため隣接する倉庫に避難して難を逃れたが、その日以降、家族4人は倉庫での寝泊りを強いられている。

 

 与論島では資材不足が続き、家の補修は始めて間もない。上野さんは「大工は他の所で忙しく、こちらまで手が回らないので自分たちでやるしかない。1カ月や2カ月では終わらないと思う」とため息をついた。

 

 同町古里で畜産業を営む60歳の男性は牛舎の屋根が全て飛ばされ、現在もそのままの状態で牛を飼っている。男性は「今は日差しも強くないし、少しの雨なら牛は平気。できれば早く屋根を元に戻したいが、住宅が損壊した人もいるから、そういう所が優先だろうと思い、まだ修理の発注もしていない」と話した。

 

 台風24号は観光施設やホテル、遊歩道、港のトイレなど島内の観光関連施設にも被害を及ぼした。ヨロン島観光協会によると、被害に遭った宿泊施設も一部制限はあるものの営業は行われている。

 

 4階や5階の外壁、窓ガラスなどが破損し、休館となっている観光拠点施設「サザンクロスセンター」は11月1日、リニューアルオープンする。現在は展示物の配置換えなど、職員が内装のリニューアルを進めている。5階の展望台は修理に時間がかかるため、代わりに4階のテラスを開放する計画だ。

 

 施設スタッフの町岡夏海さん(23)は「立ち寄ってもらったのに休館を知り帰る旅行者もいて大変申し訳なかった。再開後はまた多くの人に来てもらいたい」と語った。

台風で屋根が吹き飛ばされたままの牛舎=10月27日、与論町

台風で屋根が吹き飛ばされたままの牛舎=10月27日、与論町