世界遺産登録へ人災防除を 奄美図書館講座で常田氏講演

奄美大島の自然の価値と保護の大切さを訴える常田氏=19日、奄美市名瀬

奄美大島の自然の価値と保護の大切さを訴える常田氏=19日、奄美市名瀬

 2018年度県立奄美図書館生涯学習講座「あまみならでは学舎」の8回目が19日、奄美市名瀬の同図書館であり、奄美自然環境研究会長を務める自然写真家の常田守氏(65)=同市名瀬=が「世界の宝・奄美大島の自然」をテーマに講演した。再推薦が決定した世界自然遺産登録にも触れながら、奄美の自然の価値や人災の脅威を訴えた。

 

 常田氏は1980年にUターン。仕事の傍ら奄美の自然を撮影し続けている。講演では動植物の写真や映像を用いて、奄美大島の特徴的な自然を紹介した。

 

 「シイの木が奄美の自然をつくる」と話す常田氏。伐採後のさら地は松など陽樹が占有した後、シイなど陰樹の森に変わる。「松枯れは自然な変遷の過程。本来の森に近づく素晴らしい状況」と表現した。

 

 一方で▽固有植物種の盗掘▽アマミノクロウサギの輪禍▽ノネコによる在来ほ乳類の捕食―など、相次ぐ「負の現実」を念頭に、「絶滅するかどうかで判断するのではなく、現実に起こっている事件事故を人災として考えることが大事」と訴えた。

 

 2020年の世界自然遺産登録へ向け、再推薦が決定したことについて常田氏は「失われた自然本来の姿を取り戻す第一歩。関係機関の取り組みに加え、島民の協力が不可欠」と伝えた。

 

 この日は約100人が聴講。講座終了後には閉講式があり、全8回中6回以上の受講者23人が修了証を受け取った。