外海良好、リーフ内回復なく 栄養塩の影響など調査進む 与論島・春のリーフチェック

ボランティアダイバーらが参加したヨロン島リーフチェック=5月26日、与論島茶花沖(海の再生ネットワークよろん提供)

ボランティアダイバーらが参加したヨロン島リーフチェック=5月26日、与論島茶花沖(海の再生ネットワークよろん提供)

 サンゴ礁の健康診断「ヨロン島リーフチェック」(NPO法人海の再生ネットワークよろん主催)は5月26日、与論島茶花沖のリーフ外側にある礁斜面(通称・宮殿西)であった。調査の結果、浅場(水深約5㍍)の造礁サンゴ被度は調査ライン全体の31%で、昨年5月の調査時より7上昇。同一ポイントでの過去7回の調査の中で最高被度を記録した。

 

 深場(水深約10㍍)での造礁サンゴ被度は67%で、過去最高だった昨年から1減少しただけだった。同法人の渡辺暢雄事務局長は「昨年の高海水温を乗り越え、白化から回復。健全な状態を保っている」と安堵(あんど)する一方、リーフ内側(礁地)は相変わらず回復の見込みがなくリーフ内外の差が大きくなる傾向を問題視。「家畜ふん尿や生活排水などの海への流入を可能な限り防ぐ取り組みが地域住民や行政に求められている」と強調した。

 

 リーフチェックは2000年秋から年2回のペースで実施し、36回目。島内外からボランティアダイバーやダイビング事業者計24人が参加した。

 

 昨年夏は海水温が高い状況が続き、同島でもサンゴの白化現象を多く確認。その後の状況が懸念されていたが、今回のリーフチェックでは、白化から最近死に至ったと思われるサンゴは浅場で3%、深場で1%にとどまった。

 

 リーフ内外の差について、島の東側にある皆田海岸での調査によると、リーフ外の造礁サンゴ被度が48・8%と良好な状態であるのに対し、内は8・8%と40の差が出ている。

 

 渡辺事務局長は「連続性の高い発達した島のリーフにより、内は外との海水交換も少なく、砂が堆積して水深も浅くなっていることから水温が上がりやすい。加えて、陸域から流入する栄養塩(栽培肥料や家畜ふん尿、生活排水などに含まれるリンや窒素の成分)が内に滞留していることも大きな原因と考えられる」と分析した。

 

 同法人では、環境省が策定した「サンゴ礁生態系保全行動計画」(2016~20年度)に基づくモデル事業で、17年から農学系の大学研究室などと連携し、海に流入する陸水の調査分析を行っている。18年度末からはこの結果に基づいた改善策の検討を進める予定。