住家の損壊相次ぐ―沖永良部

2018年10月01日

自然・気象

突風にあおられて全壊した倉庫=30日午前8時すぎ、和泊町和泊

突風にあおられて全壊した倉庫=30日午前8時すぎ、和泊町和泊

 29日昼前から長時間、台風の暴風域が続いた沖永良部島では住家や倉庫、牛舎などが損壊する被害が相次いだ。電柱の倒壊や電線の断線が各地で見られ、30日午後7時現在も島内の広い範囲で停電が続いている。同日はがれきの撤去や、家の壁や窓、車に付着した塩分を洗い流すなど多くの島民が後片付けに追われた。

 

 同日夕判明分で、住家被害は両町で半壊が18棟、一部損壊が和泊町で167棟。空き家や牛舎、倉庫などの非住家も含めると被害棟数はさらに増える見込み。

 

 和泊町和泊では倉庫が全壊し、隣接する住家や停めていた車にがれきが飛んできた。29日午後4時ごろ、建物が壊れる瞬間を目撃したという白峯真一さん(40)は「心配で窓から様子を見ていたら、よその倉庫が風にあおられて浮き上がった。家には子どももいたし、怖かった」と話した。

 

 住家2階部分の屋根の大半を暴風ではがされた同町手々知名の男性は「1階にいたら上からバリバリとすごい音が聞こえた。危ないので2階には行かなかったが、1階まで水が垂れてきた。次もまた(台風25号が)来たらどうしようか」と途方に暮れていた。

 

 家の近くで電柱が倒れた同町玉城の前幸貴さん(67)は「敷地内の電柱も大きく揺れ、その反動でブロック塀が倒れた。この様子だと復旧までしばらくかかりそう」と嘆いた。

 

 知名町では役場庁舎も一部が損壊。外壁がはずれた耕地課では雨もりもあったが、職員は「保管していた書類などは大丈夫」と安どした。