停電や携帯電話不通で生活まひ 沖永良部島

2018年09月30日

自然・気象

避難所でテレビなどを見ながら過ごす住民ら=29日、知名町余多

避難所でテレビなどを見ながら過ごす住民ら=29日、知名町余多

 台風24号の接近に伴い29日昼前から暴風域に入った沖永良部島は終日、横なぐりの激しい雨風に見舞われた。同日午後1時までに和泊町で39世帯58人、知名町で36世帯59人がそれぞれ近くの避難所へと避難し、不安な夜を過ごした。島内は断続的に停電。携帯電話はつながりにくい状態だ。

 

 島には切れた電線が垂れ下がったり、風で飛ばされた植木鉢や木の枝が道路上に散乱している地点も。強風で屋根のトタンや外壁が剥がれたとみられる住家もあった。

 

 9月に入り豊作への期待が高まっていたサトウキビは、ほ場一面横倒しになり、根元から折れているものも散見された。

 

 今年7月に落成したばかりの知名町の余多コミュニティセンターには午後2時現在、9世帯18人が避難。備え付けの発電機を使ってテレビで台風情報などを確認したり、布団を敷いて横になったりする姿が見られた。

 

 正午すぎに避難したという武原吉彦さん(66)は「古い木造の家なので今回の台風は心配だから避難した。ここは発電機があり、クーラーもテレビも付いているから家より安心だし快適」と話した。

 

 28日から避難している神田静枝さん(72)は「私の家は夫婦2人だが、近所に1人暮らしで台風を不安に思っている方もいたので、声を掛け合って一緒に避難することにした。無事に過ぎ去ってほしい」と語った。