奄美全域、暴風域に/台風19号

2014年10月12日

自然・気象

高波が打ち寄せる和泊港=11日午前9時半ごろ、和泊町

高波が打ち寄せる和泊港=11日午前9時半ごろ、和泊町

 大型で非常に強い台風19号は11日、沖縄の南海上を北上し、奄美地方は風速25㍍以上の暴風域に巻き込まれた。天城町と和泊町で午後6時すぎまでに最大瞬間風速41.2㍍を記録。午後11時現在、奄美全体の43.8%に当たる4万300戸が停電した。県災害対策本部によると、知名町の80代女性が足を骨折し、喜界町で70代男性が顔を負傷。天城町の住家1棟が一部損壊した。南部を中心に12市町村で合わせて472世帯969人が公民館などに避難した。海の便に続いて空の便も断たれた。台風は12日も勢力を維持しながら北上し、奄美地方に最接近する見込み。暴風雨が長時間続くため、災害への警戒が必要だ。
 名瀬測候所によると、奄美地方の南部は11日の夕方までに、北部は夜に暴風域に入った。奄美大島以南で最大瞬間風速は30㍍を超え、夕方から夜にかけて与論町で37.0㍍、伊仙町で34.2㍍、奄美市笠利町でも33.4㍍に達した。
1012tenki 奄美各地は同日、台風に伴う発達した雨雲が次々と流れ込んで大雨も続いた。徳之島以南では1時間雨量が30㍉を超え、和泊町では午後7時45分までに52.0㍉を記録。午後9時50分までの24時間雨量は与論町で256.0㍉、和泊町でも209.5㍉に達した。沿岸の海域ではうねりを伴う高波が南部で13㍍、北部でも12㍍に達した。
 台風は同日午後9時には那覇市の東南東約70㌔、与論町の南約120㌔の海上を時速15㌔で北へ進んだ。中心気圧は935ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は45㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心から半径280㌔以内は暴風が吹き、中心から北側700㌔以内と南側600㌔以内は風速15㍍以上の強風域に入っている。

owabi