アカウミガメが減少 奥山さん、調査成果を報告

 

産卵後に衛星通信機などを取り付けたアカウミガメ=3日、沖永良部島の海岸(奥山さん提供)

 沖永良部島などでアカウミガメの生態を調査している国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所主任研究員の奥山隼一さん(42)が17日、同島で南海日日新聞社の取材に応じ、これまでの成果を報告した。近年、同島を含め全国的にアカウミガメの上陸確認数が減少傾向にあり、奥山さんは調査によるウミガメの回遊記録から「東シナ海で何らかの問題があったと推察できる」と話した。

 

 奥山さんは2015年から沖永良部島のほか、活動拠点の石垣島、和歌山を中心に調査を始め、今年が最終年。沖永良部島には卒業研究などを行う学生と共に通い、上陸したアカウミガメに位置を把握する衛星通信機や水中での行動が分かる行動記録計を装着し、回遊の経路や潜水などの行動を調べた。今回は15日に来島。19日まで滞在し、産卵期間中の行動を調査した。

 

 これまでの研究成果として、沖永良部島で産卵したアカウミガメの約85%が東シナ海か日本沿岸で、約15%が黒潮に乗って北太平洋を回遊していることが分かったという。奥山さんは「全国的にアカウミガメが減っているが、沖永良部島に来るカメに限ると、考えられる原因は恐らく東シナ海にあるのではないか。研究が今後の原因究明に役立てば」と話した。

 

 調査ではこのほか、東シナ海回遊型と北太平洋回遊型の個体の大きさ、潜水行動、回遊して同じ地域に帰って来る間隔の違いなども分かった。成果は論文にして発表予定。

 

 06年から沖永良部島でウミガメの上陸・産卵調査を続けている沖永良部島ウミガメネットワーク(山下芳也代表)によると、同島へのウミガメの上陸確認数は、13年の568回をピークに減少傾向。20年は228回だった。今年も例年より遅いペースで推移しており、年間上陸頭数は過去最少となる見込みだという。

 

 山下代表(52)は「上陸、産卵数の減少原因、回復の見込みは分かっていない。原因を探るためにも上陸、産卵数の調査は重要だと思っている。アカウミガメだけではなくアオウミガメも減っており、他の島々とも連携した調査が必要」と話した。

ウミガメに装着する機器の説明をする奥山さん=17日、沖永良部島