リュウキュウアユ回復傾向 6年ぶり2万5千匹超 奄美保全研究会 21年秋調査報告奄美大島

奄美大島に生息するリュウキュウアユ

奄美リュウキュウアユ保全研究会(会長・四宮明彦元鹿児島大学教授)は18日、奄美市住用総合支所で学術検討会を開いた。奄美大島だけに天然の個体が残るリュウキュウアユは今秋の調査で生息確認数が2万6528匹だった。2万5000匹を超えるのは2015年以来6年ぶり。四宮会長は回復傾向がみられるとして、「危機的状況ではなく安心した」と述べた。

 

アユの調査は毎年、稚魚が海から川へ上る春と、繁殖期を迎えた成魚が産卵のため川の下流に集まる秋に、鹿児島大学と琉球大学などが合同で実施している。今秋は11月13~15日と21日の計4日間、島内15河川で潜水調査を行った。

 

20年秋は新型コロナウイルスの影響で、調査は主にアユがみられる主要4河川の中流から下流域に限定されたため、秋の全体的な調査は2年ぶり。4河川別の確認数は、21年は最も多い役勝川が2万2057匹と20年の5500匹を大幅に上回った。

 

川内川は901匹(20年2700匹)、住用川893匹(同2100匹)と減少した一方、個体数の激減で存続が危ぶまれていた河内川は2330匹(同800匹)と回復がみられた。

 

報告した同研究会の米沢俊彦さん(51)は、個体数の増減について、前季の冬の海水温の影響を指摘。海水温が高いと生き残る稚魚の数が減るため、記録的な暖冬の影響で19年秋から2年連続して個体数は低水準となったが、21年秋は前季の冬の気温がやや低くなったため、個体数が回復したとみられるという。

 

アユの産卵を観光に利用する提案もあり、米沢さんは「本土ではアユの産卵をガイドするダイビングサービスもある」と紹介。リュウキュウアユの卵を破損したり、流出させたりする危険もあるとして、観察する人数を制限するなど「ルール作りが必要」と述べた。