世界遺産、奄美・沖縄4地域交流 連携へ、保護と観光の両立で報告

奄美・沖縄の世界自然遺産4地域の関係者が交流したオンラインミーティング=3日

7月に世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の地域連携ミーティングが3日、オンラインで初めて開催された。遺産4地域の民間団体などが持続可能な観光や希少種保護と農業との両立、環境教育などについて活動を報告。世界の宝の継承に向けて地域間で情報共有を図り、交流を深めた。

 

世界遺産登録を契機に4地域がつながりを持ち、連携を深めて遺産地域の活性化を図る目的で環境省が主催。奄美・沖縄関係の観光、自然保護、行政関係者など約40人が参加した。

 

活動報告では、あまみ大島観光物産連盟の境田清一郎事務局長が奄美大島の持続可能な観光地域づくりをテーマに、電動自転車(e-bike)を活用した長期滞在型ツアーの実証事業について紹介。ツアーには自然体験のほか八月踊りの体験や海岸清掃なども盛り込まれ、「先人が残した自然環境と伝統文化を後世に継承することがわれわれの役目」と述べた。

 

徳之島からはアマミノクロウサギによる農作物の食害の問題で、タンカン生産農家の松下清志郎さんと米原稔さん、徳之島町企画課の米山太平さんが園地への防護柵の設置や、食害防止対策を体験するエコツアーの取り組みを報告。米原さんは「農家はまだまだ『やっかいもの』と捉える人が多い。共存共生を志す中で、一人でも多くの意識を変えていければ」と話した。

 

沖縄島北部の「やんばる」から修学旅行に外来植物の駆除作業を組み込んだツアーづくりについて、西表島からイリオモテヤマネコのロードキル(交通事故死)防止に向けた夜間パトロールや小中学校での環境教育について報告があった。奄美、沖縄関係の民間企業・団体の取り組み紹介もあった。

 

参加者の意見交換では、各地域から観光客の増加に伴う利用規制の導入に関する報告があり、「規制が増えるばかりではネガティブな発信になり、気持ちよく利用してもらうのは難しい」と課題が挙がった。「持続可能な観光地づくりには事前学習が重要。意義を学んだ上で観光してもらうことで、思いやりや配慮が生まれる」という提案もあった。