世界遺産の拠点、着工 住用町に来夏オープン

本体工事が始まった建設現場=24日、奄美市住用町

 環境省が奄美大島で整備を進める「世界遺産管理拠点施設」(仮称)は8月、奄美市住用町の現地で本体工事が始まった。7月26日に世界自然遺産に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、貴重な自然環境と多様な動植物の価値や魅力を紹介する総合拠点。環境保全を啓発しながら適正な観光利用の推進を図る。建物は2022年3月末の完成を予定し、8月ごろのオープンを目指す。

 

 拠点施設は奄美市住用町の「黒潮の森マングローブパーク」に併設。パーク北側に隣接する市有地の広場に、木造平屋建ての本館(約582平方㍍)、倉庫(約28平方㍍)を整備する。本館には展示室(約318平方㍍)、エントランスホール、物販店舗などを配置。総事業費は約7億5000万円。8月23日に基礎工事に着手した。

 

 コンセプトは「『生命のにぎわい』に包まれる―奄美大島フィールド探索型ミュージアム」。展示室には照葉樹の森のジオラマに、アマミノクロウサギをはじめ希少な動植物の模型や剥製を設置。壁面の大画面に四季や日夜で移り変わる自然の映像を流し、豊かな自然を疑似体験できるように工夫を凝らす。

 

 運営は環境省と地元自治体を中心に設立する協議会が担う。団体ツアーなどの観光客を受け入れ、自然体験ができるフィールドの紹介や、生き物を観察するためのルールの周知などを行う。

 

 環境省奄美群島国立公園管理事務所の山根篤大国立公園保護管理企画官は「貴重な生きものたちが島の身近な森にいるすごさを、展示や解説を通じて島内外の方々に感じてもらい、守っていこうという気持ちを持ち帰ってもらえるような施設を目指したい」と述べた。