徳之島町花徳に自然遺産施設 環境省 保全、情報発信の拠点に

世界自然遺産センターの建設予定地=1日、徳之島町花徳

 【徳之島総局】環境省はこのほど、7月に世界自然遺産に登録された徳之島の徳之島町花徳に「世界自然遺産センター」(仮称)を整備する方針を明らかにした。2022年度予算概算要求に世界遺産保全管理拠点施設等整備費3000万円を計上した。島内関係者からは「徳之島での保全活動や情報発信の拠点にしたい」と期待の声が上がっている。

 

 世界自然遺産センターは、遺産管理の拠点施設として遺産の価値や自然の見どころを紹介する機能を果たす。遺産地域の利用ルールの事前周知や盗掘防止、外来種対策などの取り組みを紹介し環境保全と適正利用を促進する役割を担う。

 

 建設予定地は県道80号伊仙亀津徳之島空港線沿いの民有の畑地で、同線と県道629号花徳浅間線の交わる三叉路から天城町平土野方面に約200㍍進んだ地点。現在、用地取得を進めている徳之島町によると面積は6828平方㍍。着工時期は未定だが、敷地内に町の観光拠点施設を併設する予定という。

 

 同町の高岡秀規町長は「先人たちが我々に残し、世界がその価値を認めた徳之島の自然の魅力を島内外に発信する施設となる。観光拠点と両輪で徳之島全体の振興につなげたい。旧東天城村地区の過疎化や、希少野生動物のロードキル対策などの課題の解決にも期待したい」と述べた。

 

 徳之島で環境保全活動に取り組む「徳之島虹の会」の美延睦美事務局長(58)は「一刻も早い整備を待ち望んでいた。自然遺産の重要な地域も近く立地も良い」と歓迎した上で、「単なる“箱物”にしてはならない。観光客だけでなく地域の人も集まり、島の自然の大切さを学ぶ場として機能してほしい」と話した。

 

 徳之島と同時に世界自然遺産に登録された奄美大島では既に、「黒潮の森 マングローブパーク」(奄美市住用町)でセンター建設が進んでいる。