環境保全、地域振興両立へ 世界遺産推進共同体 栄所長 鹿大島嶼研奄美分室勉強会

世界自然遺産推進共同体の活動を紹介した栄所長=28日、奄美市名瀬の鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室

 鹿児島大学国際島嶼(とうしょ)教育研究センター奄美分室主催の勉強会が28日、オンラインで開かれた。講師は世界自然遺産推進共同体事務局の栄正行日本航空(JAL)奄美営業所長。奄美・沖縄の世界自然遺産登録に向けた環境保全と地域振興の両立を図る活動を紹介し、「共同体が目指すのは持続可能な奄美群島。自然や文化を適切に活用していくために、関心を持つことからスタートしたい」と述べた。

 

 世界自然遺産推進共同体は、奄美・沖縄の世界遺産登録を民間の立場から後押ししようと2019年8月に発足。候補地の奄美大島、徳之島を中心に62企業・団体で構成。自然遺産登録に向けた環境保全や普及啓発活動を展開している。

 

 勉強会にはオンラインで約20人が参加した。栄所長は観光地のビーチクリーン作業や、昔ながらの海岸風景の復活に向けたアダンの実の植え付け、動物園で飼育中の国の天然記念物アマミトゲネズミの餌となるシイの実拾いなど、共同体メンバーが参加した活動を紹介。

 

 密猟・密輸防止に向けたAI(人工知能)を活用した希少種の判別システムの構築や、奄美の自然や生き物をモチーフにしたグッズの販売、奄美大島のエコツアー商品の販売など各企業の取り組みも取り上げた。

 

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が今月10日、奄美・沖縄に世界自然遺産への「登録」を勧告し、7月の世界遺産委員会で正式に登録される見通しとなった。

 

 栄所長は「世界遺産は奄美が守っていくように世界から示された使命。活用の視点で見れば、世界が認めたブランドといっても過言ではない」と強調し、「島のことに関心を持ち、知って守って、適切に活用していく。島への思いと行動がもっと大きくなることを願い、共同体活動の進化を図りたい」と力を込めた。