外来のコイ駆除進む 絶滅恐れのアユなど保護へ 奄美大島

住用川で捕獲された外来種のコイ=2021年8月、奄美市住用町(奄美海洋生物研究会提供)

島内5市町村でつくる奄美大島自然保護協議会はこのほど、外来種のコイなど水生移入生物の駆除に関する2021年度の報告書をまとめた。島内4河川でコイやナイルティラピアなど4種138匹を確認し、捕獲した。報告書では絶滅危惧種のリュウキュウアユなどの保全に向けて、根絶に向けた駆除の継続と、外来種を川に放さないように住民への啓発を求めている。

 

コイは川や池、湖などに生息する大型の淡水魚。国内では琵琶湖などを除き大半が外来種とされる。雑食で生態系に影響を及ぼす恐れがあり、国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」に入っている。

 

奄美大島では1995年に住用川の上流にコイとフナ計1500匹が放流され、その後駆除が行われたが、下流に流れた個体が定着した。島内の河川では養殖場から逃げ出したスッポンや、ティラピアなどの外来種も定着しており、リュウキュウアユなど在来種への影響が懸念されている。

 

駆除事業は希少な水生生物の保護を目的に奄美大島自然保護協議会が16年度から進めている。奄美海洋生物研究会(興克樹会長)が受託し、21年度は7~11月に奄美市、龍郷町、宇検村の河川で分布調査と駆除を実施した。

 

コイは奄美市住用町の住用川下流で7匹を捕獲。龍郷町の大美川でナイルティラピア4匹、大美川水系の半田川などでスッポン11匹が捕まったほか、半田川では観賞用熱帯魚のグリーンソードテール116匹が捕獲された。

 

駆除が進んでコイの捕獲数は2年連続で減少。一方で、報告書では捕まった個体の体長が55・6~81・5㌢と大型で、繁殖して増える恐れがあるため、集中的な駆除の継続を要望。水生移入生物の完全駆除に向けて、「奄美大島全域が希少な水生生物の生息地であることを地域住民に周知し、移入種を遺棄しないように啓発活動の拡充が求められる」としている。