オウゴンカズラを駆除 徳之島の国立公園区域

2019年11月05日

ウゴンカズラの駆除作業を行う参加者=3日、徳之島町金見

ウゴンカズラの駆除作業を行う参加者=3日、徳之島町金見

 徳之島地区自然保護協議会(政武文会長)は3日、徳之島町金見集落内で、外来植物のオウゴンカズラの駆除作業を行った。徳之島の世界自然遺産登録へ向けた環境保全活動の一環。同協議会は「金見は島内で唯一、集落が奄美群島国立公園区域に含まれているが、オウゴンカズラがはびこっている現状。今後は地域住民とも協力して駆除を進めたい」としている。

 

 オウゴンカズラは東南アジア原産のサトイモ科のツル植物。茎から根を伸ばして樹木に張り付き、20~40センチに成長する葉が周辺を覆うことで、在来植物の生育環境が損なわれる恐れがある。県は今年4月施行の「指定外来動植物による鹿児島の生態系に係る被害の防止に関する条例」に基づき、オウゴンカズラなど14種を指定外来動植物に指定する予定。

 

 作業は世界自然遺産登録に向けた地域別行動計画のうち、侵略的外来種への対策強化の一環で10月27日に続いて実施した。作業場所は、かつて住民が水くみ場として利用した集落中心部の「コーネィンヤマ」周辺。

 

 会員ら15人が参加。午前9時から午後4時ごろまで、鎌などを使ってオウゴンカズラを刈り取り、2日間で軽トラック55台分を集めた。

 

 政会長(67)は「先日の国際自然保護連合(IUCN)の現地視察の際、継続的な外来種対策を要請された。世界自然遺産の価値を高めるため、外来種対策に取り組んでいく」と述べた。