クロウサギ 子育て撮影 奄美大島 4世代一家、見守る写真家

2021年01月30日

①子ウサギに授乳するアマミノクロウサギ=2020年12月23日、奄美大島(勝さん撮影)

①子ウサギに授乳するアマミノクロウサギ=2020年12月23日、奄美大島(勝さん撮影)

②穴の外で行動を共にする親子=2020年12月31日(勝さん撮影)

②穴の外で行動を共にする親子=2020年12月31日(勝さん撮影)

③落ち葉を口にする子ウサギ=2021年1月13日(勝さん撮影)

③落ち葉を口にする子ウサギ=2021年1月13日(勝さん撮影)

 奄美大島の森でこの冬、国の特別天然記念物アマミノクロウサギが子育てに励む様子を奄美市笠利町の自然写真家、勝廣光さん(73)が撮影した。4世代にわたるクロウサギ一家の暮らしを見守り続ける勝さんは「奄美の自然と、生き物の営みの素晴らしさを写真で伝えたい」と話す。

 勝さんは1991年からクロウサギの生息地に通い、自動撮影カメラなどを使って繁殖や育児の様子を記録している。母ウサギは2017年12月に双子で生まれた3歳の雌で、出産は初めてという。昨年9月ごろに子育てのための土穴を掘り始め、11月下旬に子ウサギが誕生した。

 子ウサギは生まれて10日後くらいから穴の入り口に顔を出し始めた。勝さんは母ウサギによる授乳や、穴の外に出て落ち葉や木の実を口にするなど、子ウサギがすくすく育つ様子をカメラに収めた。

 クロウサギは今年夏の世界自然遺産登録を目指す奄美のシンボル。勝さんは「島の自然の大切さを一人一人が実感して、後世に残さないといけない」と保護の重要性を訴えた。