クロウサギ輪禍か 県道でも減速呼び掛け 徳之島町轟木

2020年10月06日

輪禍に遭ったクロウサギ(提供写真)

輪禍に遭ったクロウサギ(提供写真)

 【徳之島総局】徳之島町轟木の県道で4日夜、国指定特別天然記念物のアマミノクロウサギの死骸が見つかった。頭部に流血が見られ、発見現場の状況から交通事故に遭ったとみられる。環境省徳之島管理官事務所は「近年は交通量の多い県道でもクロウサギの輪禍被害が増えている。夜間の安全運転を」と呼び掛けている。

 

 死骸が見つかったのは、徳之島町花徳から天城町平土野方面へ約2・5㌔進んだ地点。この県道では2018年からクロウサギの輪禍被害が確認されており、今回が4例目。いずれも10~12月に発生している。

 

 同事務所によると、被害に遭ったクロウサギは雌の成獣。猫や犬などにかまれた痕はなく、道路上で発見されたことから、交通事故の可能性が高いという。今年のクロウサギ交通事故件数(4日現在)は12件目。今回を含めここ2週間で3件発生しており、増加傾向にある。

 

 島内で野生化した猫(ノネコ)対策などが奏功し、近年は環境省が山林に設置した自動撮影カメラでクロウサギが撮影される回数が増えているという。同事務所の福井俊介国立公園管理官は「ドライバーは山に近い農道や林道以外の道路でもクロウサギが出没することを意識し、特に夜間はスピードを落として運転してほしい」と話した。