サンゴ礁保全へ調査講習 瀬戸内町
2020年11月19日
サンゴ礁の健康度を調査する「リーフチェック」の人材養成講座(瀬戸内町海を守る会主催)が9~11日、瀬戸内町であった。町内のダイビング事業者9人が受講。専門家を講師に招いた講習と海洋実習を通して海の生態系や調査方法を学び、サンゴ礁保全の大切さを再認識した。
講座は瀬戸内町体験型観光メニュー利用者促進事業の一環。BLUE SchoolDesign(河本雄太代表)が運営。町の観光資源である「美しい海と島」を守るため、サンゴ礁保全の意識を高め、継続的にリーフチェックを実施できる体制を構築する目的で開催した。
リーフチェックは世界同一基準で行われているサンゴ礁の調査。科学者とダイバーがチームを編成して潜水調査を行い、海底がサンゴで覆われている割合を示すサンゴ被度や生物の個体数を記録する。
同町のきゅら島交流館で講習があり、日本自然保護協会のリーフチェックコーディネーター安部真理子さんが海底の生物の分類や無脊椎動物の見分け方などについて解説。受講者らは大島海峡内で海洋実習を行い、サンゴの種類やサンゴ被度などを記録するリーフチェックを体験した。
安部さんは「大島海峡はサンゴの種類が多く、被度も高い多様性に富んだ場所。気候変動の影響で、南西諸島では健康度が下がっている海域が多い中、優先的に保護していくことが必要」と強調した。
瀬戸内町海を守る会は、会員のダイビング事業者らが2001年から大島海峡内でリーフチェックを続けている。祝隆之会長は「リーフチェックのスキルが身に付き、サンゴや生物のことも知ることができた。関係機関と連携して、専門家の意見を取り入れながらサンゴの保全に努めていきたい」と話した。