ヌカカに注意を 加計呂麻島などで被害相次ぐ

2019年04月16日

トクナガクロヌカカとみられる虫

トクナガクロヌカカとみられる虫

 奄美大島、加計呂麻島などで吸血害虫ヌカカに刺される被害が相次いでいる。3月末~5月初旬が発生のピークとされ、生息地とされる水辺の近くでは注意が必要だ。

 

 ヌカカは体長1~2ミリ程度のハエの仲間で、「エッチ虫」「スベ」などとも呼ばれている。体が小さく、頭髪に潜り込んだり、衣服の隙間から侵入したりして吸血。網戸などを抜けて住居に侵入してくることもある。

 

 かゆみが遅れて出てくるため気付かず、一度に多数の個体に吸血され、皮疹が多発することも。多くの住民が被害に遭っており、加計呂麻島の芝集落は3月、町に駆除を求める要望書を提出した。

 

 鹿児島大学国際島嶼教育研究センターの大塚靖准教授によると、同地域で確認されているのはトクナガクロヌカカの亜種。予防策として▽肌を露出させない▽忌避剤を使う▽耳に入ったら光に向かう習性があるため、光を当てる―などを挙げ、「刺されたら虫刺され薬を使うか、症状が重い場合は治療を受けてほしい」と話した。

 

 駆除については「生息しているとされる砂地に薬剤をまく方法が考えられるが、効果や環境への影響などが実証されておらず、現段階では難しい」とした。