大切な家族の一員 奄美各地の愛犬(2)

2018年01月02日

(左から)アーロンとリロを、孫のように甘やかす幸子さん(手前)と久子さん(奥)

(左から)アーロンとリロを、孫のように甘やかす幸子さん(手前)と久子さん(奥)

◆心癒やす親子犬 リロとアーロン

 

 喜界町小野津の鈴木久子さん(58)はミニチュアダックスフントとパピヨンのミックス犬のリロ10歳と、リロの子アーロン3歳と一緒に暮らす。近所でも評判の仲良し家族だ。

 

 久子さんは幼少期を大阪で過ごした。犬を拾ってきては親に怒られ、別の場所でこっそり給食の残りをあげていたこともある。「将来は絶対、犬と暮らす」と決めていた。

 

 リロとの出会いは10年前。親戚が島外に転出する際に譲り受けた。当時、一緒に暮らしていた愛犬を失った直後で傷心していた。リロが新たに家族となり救われた。7年後アーロンが生まれた。「私が仕事から帰ってくると、駆け寄ってきて遊びのおねだりをする。いつも『2人』に癒やされている」と久子さん。

 

 散歩は、近所の公園や久子さんの実家「ばあちゃんの家」が定番。久子さんの母・幸子さん(84)は「すぐ横に転がる。かわいいですよ」と、おやつをあげた。過去には、干しダイコンをあげようとしたところ首を振って食べなかったそう。

 

 食いしん坊のリロとやんちゃなアーロン。鈴木家のアイドルは、今日も家族を笑顔にしている。

 

◆宿泊客もてなす「女将」 ラッキーとポッキー

 

  奄美市名瀬のホテルビッグマリン奄美(向井純一代表取締役社長)に2匹の看板犬がいる。ラッキー(15歳)と生後3カ月のポッキー、ともに雌犬だ。

 

 ラッキーは、持ち前の人懐っこさで、ホテルみんなの心を癒やす人気者。ホテルはスポーツ合宿や仕事などで長期滞在する宿泊客も多い。お客さんとの散歩やロビーでの触れ合いは、たくさんの笑顔を生んできた。そんなラッキーも、人間でいえばおよそ80歳。今や立派な「女将」だ。

 

 ラッキーと向井社長の出会いは、偶然入ったペットショップ。向井社長は「キャンキャンと鳴き、懐いてきたのでかわいくて連れて帰った」と当時を懐かしみ、「ラッキーのおかげでホテルが明るくなった。感謝している」と老舗ホテルを支え続ける同士をたたえた。

 

 2017年12月、「2代目女将」を期待されホテルに来たのがポッキーだ。取材前日に徳之島から到着したばかり。「ラッキーのように人懐っこく元気。お客さんをきっと喜ばせてくれるはず」と向井社長。ホテルのロビーで、ベテラン女将と女将見習いの2匹が並んで宿泊客を出迎える日も近い。

(左から)ラッキー、ポッキー、向井社長

(左から)ラッキー、ポッキー、向井社長