奄美・沖縄 国立公園を拡張

2020年02月27日

世界自然遺産

希少な動植物が生息・生育する照葉樹の森=奄美大島

希少な動植物が生息・生育する照葉樹の森=奄美大島

 政府は26日、奄美群島国立公園の区域拡張と計画変更を官報で告示した。今年夏の世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の推薦区域の再編に伴い、奄美大島、徳之島の第2種特別地域計490㌶を核心地域となる第1種特別地域に格上げするなど、保護の強化を図った。沖縄のやんばる、西表石垣の両国立公園も区域の拡張などを官報告示した。

 

 奄美群島国立公園は2017年3月に国内34番目の国立公園として誕生。群島8島の陸域、海域合わせて約7万5千㌶を指定した。

 

 今回の変更では、奄美大島で公園区域に隣接する21㌶を、自然遺産推薦区域周辺の緩衝地帯となる第2種特別地域として編入。両島で第3種特別地域からの振り替え67㌶と合わせて、第2種特別地域を88㌶拡張した。変更後の陸域の総面積は15㌶増の4万2196㌶。

 

 やんばるは沖縄島北部で第2種特別地域を新たに41㌶編入。第3種特別地域からの振り替えを含め64㌶拡張した。西表石垣は西表島で浦内川など河川流域の2041㌶を第2種から第1種特別地域に格上げし、山から海まで一体的な管理の強化を図った。

 

 世界自然遺産登録を目指す奄美・沖縄を巡っては、政府が17年2月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦。現地調査を行ったユネスコ諮問機関の国際自然保護連合(IUCN)は、推薦地の分断などによって希少な動植物の保護が十分でないとして、「登録延期」を勧告。推薦区域を再編して分断を解消し、19年2月に再推薦した。