産卵巣の食害実態浮き彫りに

2014年11月30日

 

ウミガメの産卵現場を写真で紹介しながら食害の実態を報告する興さん=29日、奄美市名瀬

ウミガメの産卵現場を写真で紹介しながら食害の実態を報告する興さん=29日、奄美市名瀬

 第25回日本ウミガメ会議(NPO法人日本ウミガメ協議会主催)は2日目の29日、奄美市の奄美文化センターで保護活動の報告会などがあった。全国の研究者や自然保護関係者らが取り組みを報告。奄美大島のリュウキュウイノシシをはじめ、ウミガメの卵が動物に食べられる被害の実態があらためて浮き彫りになった。外来種の影響など捕食動物を取り巻く人為的な環境変化を指摘する声もあり、抜本的な対策を求める意見が相次いだ。
 奄美海洋生物研究会(奄美大島)の興克樹さんは2年前に比べて食害の発生域が広がり、数が倍増したリュウキュウイノシシの調査結果を報告した。「イノシシの捕食は昔から繰り返されてきた行為。本土などの状況とは分けて考える必要がある」と述べる半面、「集落背後の山地などが過疎化で放置され、イノシシが浜に侵入しやすい環境に変わっている」と警鐘を鳴らした。