「ほこらしゃ奄美」始まる 鹿児島市の黎明館

ノロ祭祀の衣装や祭具など、貴重な資料も展示されている「ほこらしゃ奄美」=1日、鹿児島市の黎明館

    奄美群島の文化財や美術品などの資料を通じて島々の歴史や民俗・文化、伝統を紹介する企画展「ほこらしゃ奄美」が1日、鹿児島市の県歴史・美術センター黎明館で始まった。県などが組織する実行委員会の主催。島々の各遺跡から出土した埋蔵文化財や集落での神事、行事に使用されていた祭祀(さいし)具、島の産業を支えてきたサトウキビ作の農具など貴重な資料を展示し、九州南部と琉球地方の影響を受けながら複雑な歴史の中で息づいてきた奄美の文化や歩みに迫っている。

 

 同館で開催される企画展の第60回記念特別展。「素晴らしい」「誇らしい」という意味の方言「ほこらしゃ」をテーマに、地域外ではこれまで十分に知られてこなかった奄美の歴史や文化に光を当てようと企画された。

 

 会場では展示コーナーを6ブロックに分け、琉球弧の島々を結ぶ海上交通の歴史や琉球王国との関わり、薩摩藩の統治下にあった人々の暮らしやサトウキビ生産、集落(シマ)ごとに特色がみられる方言や島唄、踊りといった文化などについて、220点の資料を通じて紹介。音声ガイダンス機器を利用することで、各コーナーに関する解説や島唄を聞くこともできる。

 

 初日は開会式があり、塩田康一知事が「複雑な歴史をたどった奄美の民俗文化は県にとっても大きな特色であり、県民の宝。人々の関心が深まることを期待する」とあいさつした。

 

 黎明館学芸課の小野恭一学芸員は「世界自然遺産登録で注目を浴びている奄美だが、その素晴らしい自然が育んできた歴史や文化、多様性についても、地域内外に広く知ってほしい」と企画展の意義を話し、多くの来場を呼び掛けた。

 

 企画展は11月7日までで。期間中は展示資料についての解説講座や、民俗・文化などに関する記念講演会も予定されている。