八月踊りの「あらしゃげ会」に地域振興賞

2019年03月19日

芸能・文化

AiAiひろばで八月踊りの練習をするあらしゃげ会のメンバー=17日、奄美市名瀬

AiAiひろばで八月踊りの練習をするあらしゃげ会のメンバー=17日、奄美市名瀬

 奄美市名瀬の中心商店街で八月踊りの継承に取り組む「あらしゃげ会」(築地理昇代表)が、日本各地の伝統芸能を表彰している「一般財団法人地域伝統芸能活用センター」(東京、高円宮妃久子殿下名誉総裁)の2019年度「地域伝統芸能大賞」4部門のうち、「地域振興賞」に選ばれた。築地代表(52)は「踊りが好きな人が集まってここまでやってこれた」と喜びを語る。

 

 あらしゃげ会は2011年、市中心商店街の活性化を目標に、奄美を代表する唄者だった故・築地俊造さんを中心に発足。当時商店街ではすでに途絶え、郷友会が中心だった八月踊りの伝統を、奄美市笠利町笠利集落に伝わる踊りを継承する形でメンバーが練習を始めた。

 

 会員は名瀬在住の11歳~82歳の約40人。毎月第1、第3日曜日の午後8時からAiAiひろばで練習を重ね、クルーズ船の送迎や観光イベント等で披露している。

 

 同センターの表彰は19年度、高円宮殿下記念地域伝統芸能賞、地域伝統芸能奨励賞含め全国から5団体1個人が選ばれた。表彰式は9月、奈良県である。「地域振興賞」は長年地域で継承され、歴史や文化を色濃く反映した伝統芸能を活用し、観光振興に貢献した団体に贈られる。あらしゃげ会は奄美大島商工会議所が推薦していた。

 

 築地代表(52)は「これからも八月踊りの良さを国内外の人々にアピールしていきたい」と笑顔。唄の講師を務める同市名瀬の川上和満さん(71)も「今後さらに若い人たちに八月踊りを継承していきたい」と意気込みを語った。

 

 練習は観光客も含め飛び入り参加可能で、随時メンバーも募集している。