小湊フワガネク遺跡保存活用へ 奄美市

2019年02月08日

芸能・文化

 

フワガネク遺跡を視察する委員会メンバー=7日、奄美市名瀬小湊

フワガネク遺跡を視察する委員会メンバー=7日、奄美市名瀬小湊

 奄美市名瀬小湊の国指定史跡小湊フワガネク遺跡の保存活用計画策定委員会(委員長・池田榮史琉球大教授)の第1回会合が7日、同遺跡近くの奄美看護福祉専門学校であった。委員ら15人が参加。2019年度中の計画策定に向けて、池田委員長は「遺跡は保存するだけでなく活用していくことが重要だが、それには地域の協力が不可欠。地元、行政の意見を取り入れながら計画策定を進めたい」と話した。

 

 小湊フワガネク遺跡(約2万5千平方メートル)は太平洋に面した砂丘に立地。遺跡からは6~7世紀ごろの貝製品や貝を加工する石器などが大量に見つかった。国は2010年に文化財指定。16年には出土品1898点が重要文化財(考古資料)に指定された。

 現在、遺跡の大半は個人所有の畑が占めているが、所有者の高齢化で休耕地が増大し、適切な保存管理が必要とされている。

 

 計画は市主体で同遺跡の保護と地域資源としての活用を進めるため策定する。委員会は奄美市教委が事務局を務め、学術関係者、地域関係者、行政関係者ら計10人の委員と2人のオブザーバーで構成されている。

 

 初回は現地視察の後、意見交換。委員からは「地域資源として活用するために遊歩道、トイレ、駐車場の整備が必要」「今後の整備、調査で影響を受ける地権者へ十分に説明するべき」「畑に植えられているソテツの生け垣の保存も必要」などの意見が出た。

 

 池田委員長は「関係者の関心が高く、積極的に発言があった」と好感触を示した。第2回会合は7月の予定。