朝日中金賞、初の全国へ 九州吹奏楽コン

2021年08月26日

芸能・文化

 第66回九州吹奏楽コンクール(九州吹奏楽連盟、朝日新聞社など主催)中学の部が21日、福岡市の福岡サンパレスホテル&ホールであり、奄美市名瀬の朝日中吹奏楽部(橋口通顧問、部員14人)が初出場で金賞を受賞、全国出場権を獲得した。奄美群島内の中学校として44年ぶりの快挙。出演13人は今大会、奏者50人以内の同部門で最少だった。橋口顧問は「少人数は悩みでなく、むしろ強み」と胸を張った。

 

 中学の部には、九州・沖縄8県から代表28校が出場した。各校課題・自由曲を演奏し、11校が金賞を受賞。うち朝日中と鹿児島市立武岡中、福岡市立城南中、福岡県立門司学園中の4校が全国出場権を得た。

 

 出場校は奏者30人以上が大半を占め、50人編成の強豪も名を連ねる中、朝日中は最少13人。課題曲Ⅳ「吹奏楽のための『エール・マーチ』」(宮下秀樹作曲)と自由曲「天女の舞~能『羽衣』の物語によるラプソディ」(松下倫士作曲)を披露した。

 

 審査員からは「一人一人の技術が高い。小編成のお手本」「自然で無理のない音が良かった」「夢のように美しい演奏」「ない楽器の音も聴こえるよう」「涙が出た。大好きなチームになった」と、軒並み高評価が寄せられた。

 

 指導5年目の橋口顧問は「(九州代表選出は)『うそだろ。大変なことになったぞ』と驚くばかり。生徒たちは気負わず、大舞台を楽しんでいる様子だったが、小編成で一人一人の音が際立ち、高め合いながら調和できていた。最高の演奏だった」と振り返った。

 

 クラリネットを担当する3年生の平野愛海部長(14)は「夢のようで信じられないが、また今のメンバーで演奏できるのはうれしい。演奏の優劣に人数は関係ないと思う。舞台に立てる感謝を忘れず、全国でも自分たちらしい演奏をしたい」と語った。

 

 全国大会は10月23日、愛知県の名古屋国際会議場で開催される予定。朝日中吹奏楽部は同月上旬、壮行会を兼ねた定期演奏会を計画しているという。