稲魂招き豊作祈願/龍郷町秋名・幾里ショチョガマ、平瀬マンカイ

2014年09月03日

芸能・文化

ネリヤの神々に五穀豊穣を祈った平瀬マンカイ=2日午後4時10分ごろ

ネリヤの神々に五穀豊穣を祈った平瀬マンカイ=2日午後4時10分ごろ

 龍郷町秋名・幾里地区で2日、アラセツ行事の「ショチョガマ」と「平瀬マンカイ」があった。地域住民らが古式ゆかしく儀式を行い、山と海からニャダマ(稲魂)を招いて豊作を祈願した。
 夜明け前の午前5時すぎ、集落と田袋を見下ろす山の中腹に建てた「ショチョガマ」(片屋根のわらぶき小屋)でチヂン(太鼓)が打ち鳴らされ、祭りが始まった。ショチョガマの前方左右に置かれたわら枕の祭壇にカシキ(赤飯)や焼酎、ミキを供え、宮司が祭詞を唱えて豊作を祈願。屋根に上がった男衆約100人が「ヨラ、メラ」の掛け声で屋根を左右に揺らした。
 午前6時半すぎ、日の出に合わせて小屋が勢いよく南側に倒されると観衆から歓声が上がり、男衆が八月踊りを歌い踊った。
 平瀬マンカイは午後4時すぎから海岸の二つの岩の上で行われた。しめ縄が巡らされた沖側の「神平瀬」に上がったノロ役の女性5人と、集落側の「女童(メラベ)平瀬」の男女7人(ノロの補佐役)が唄を掛け合いながら手踊りを繰り返し、ネリヤ(海のかなた)の神々に五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。