働く喜びや厳しさ実感 大島養護学校現場実習

産業現場実習で精米の袋詰め作業に取り組む県立大島養護学校高等部3年の中田さん(左)=24日、奄美市名瀬の有村商事工場

 県立大島養護学校=本校・龍郷町(芝原一郎校長、児童生徒117人)=高等部の生徒59人が14~25日、産業現場などで実習を行った。卒業後を見据えた就労体験が目的。生徒は働く喜びや厳しさを実感し、企業側も障がいとの向き合い方に理解を深めた。

 

 実習は、すでに障がい者を雇っている事業所のほか、総合卸業者の有村商事=奄美市名瀬、有村修一社長=など一般企業でも行われた。同社の森和富洋総務部長は「実践的な学びの場を提供するとともに、社の現状として障がいにどこまで対応できるのかも検証したかった」と話した。

 

 同社で実習したのは、高等部3年の中田力煕さん(17)。精米の袋詰めや酒類の集荷、配送などを体験した。「作業が丁寧で頼もしい。雰囲気にもすぐ慣れてくれた」と同社工場の井田和広係長。中田さんは「体力仕事が好き。職場の人から話し掛けてくれて働きやすかった」と語った。

 

 鹿児島労働局によると、2020年6月1日現在、県内民間企業の障がい者実雇用率は2・44%(前年比0・04上昇)。障害者雇用促進法が定める2・3%(21年3月引き上げ)と全国平均2・15%をいずれも上回り、47都道府県で11番目に高い数字となっている。

 

 同校進路指導担当の西元博文教諭は「社会的関心の高まりを感じるが、雇用していない企業はまだ多く『接し方が分からない』との声も聞く。障がいといっても程度や能力には個人差がある。『社会の役に立ちたい』と前向きな生徒一人一人の〝できる〟を知ってもらい、働く場の確保につながれば」と語った。