啓発ポスターで地域貢献 奄美市の高校生ら知恵絞る

アマミノクロウサギ輪禍防止を啓発するポスターを制作した奄美高校の3年生5人=12月22日、奄美市名瀬

奄美市内の高校生たちが、授業の一環で地域に貢献するための啓発ポスターを制作した。奄美高校情報処理科の3年生5人組「世界自然遺産研究会」は、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)防止啓発、大島北高校情報処理科の3年生約20人は、県奄美パーク・田中一村記念美術館(同市笠利町)の魅力発信が目的。学校内外で身に付けた知識や技術を活用し、感性豊かな発想をデザインに反映した。

 

■島民の意識変えたい

 

奄美高校3年・同研究会のメンバーは濱田大耀さん、坂野匠さん、重村昌哉さん、池田颯馬さん、丸田庸裕さん。5人は授業内の調査研究で、奄美大島の自然保護に関する社会的課題のうち、アマミノクロウサギのロードキルに焦点を当てた。

 

同研究会では、環境省奄美野生生物保護センターなどから得た情報を基に「ウサギ輪禍を起こす危険性は、観光客より地元住民の方が高い」と判断し、島内各地に啓発ポスターを掲示する必要があると考えた。

 

ポスターは、同研究会が作った素案を同校美術部が加工。夜間にウサギが被害に遭う状況を抽象的に描いた。作品は昨年11月、奄美市内外の各種施設や店舗に持ち込み、掲示してもらった。

 

同研究会長の濱田さんは「事業所などを通じて広く周知できたと思うが、ポスターで島民の意識が変わるかが最も重要」と振り返った。5人は現状調査を行い、自作ポスターによる啓発効果の検証も進めている。

 

■客層絞り魅力を発信

 

大島北高校情報処理科の3年生たちは、開設20周年を迎えた一村記念美術館をPRするポスター作成に挑戦。商業科目「商品開発」の中で取り組み、12月15日に発表会を開いた。

 

ポスターは5班で計9点を完成させ、披露した。生徒たちは必須記載事項や著作権などに注意し▽写真の構図・大きさ▽文字の配色・配置▽来館客層を意識したキャッチコピー―などで工夫を凝らした。

 

発表会には一村美術館関係者も参加し、作品に目を通して生徒たちの発表を聞いた。同館学芸専門員の有川幸輝さんは「絵画的な構成が練られていたり、目を引く色合いになっていたり、個性あるすばらしい作品ばかり」と講評した。

 

「うまくまとまっており、実物より大きく見える」と、個別に高評価を受けた川原つづみさんは「斬新さが足りない気もしていたが、褒めてもらえてうれしい」と笑顔で話した。

 

同館によると、完成したポスター9点は館内で展示する予定。

田中一村記念美術館の学芸専門員(左手前)らが見守る中、制作した同館のPRポスターを発表する大島北高校の3年生たち=12月22日、奄美市笠利町