ナリみそ作りに挑戦へ ソテツの実収穫に笑顔 大島養護学校喜界支援教室 

2020年10月18日

子ども・教育

ソテツの実を収穫する支援教室の生徒=15日、喜界町池治

ソテツの実を収穫する支援教室の生徒=15日、喜界町池治

  県立大島養護学校喜界支援教室(県立喜界高校内)の生徒たちは15日、喜界町内でソテツの実の収穫を体験した。今後、NPO法人子ども支援ネットワークめばえ(増田好明代表)の指導を受け、喜界高校の生徒らとナリみそ作りに挑戦する。

 

 めばえは町内の子どもたちを対象に、野外や文化活動を通じて心豊かな人間性を育もうと毎年、焼き芋大会や餅つき大会、海岸清掃活動などを行っている。ナリみそ作りは、島の歴史や文化を考えるきっかけになればと、増田代表が支援教室や喜界高校に声を掛けた。

 

 ソテツの実の収穫作業は池治海水浴場付近であり、支援教室の生徒5人のうち4人が参加。手袋をはめ、葉にあるとげと戦いながら赤い実をバケツに入れた。1時間余りで約25㌔の実が集まった。

 

 3年の菅沼和寿喜さん(17)は「初めてソテツの実を採った。チクチクして大変だったが、ナリみそを作るのが楽しみ」、榮山亮さん(17)は「たくさん獲れてよかった」と笑顔で語った。

 

 ソテツは戦後の食糧難時には島の食生活を支えた。その後も虫かご作りや運動会の玉入れに使われるなど、住民と関わりが深い。生徒たちは増田さんらと中身を取り出したり毒抜きをしたりする作業も行って12月にはナリみそを作り、熟成期間を経て卒業前に試食会を開く予定。

 

 増田代表は「学校を卒業して島外へ出た時に島での体験が宝になる。子どもたちにはいろんな体験を通して故郷を大切にする気持ちを持ってほしい」と語った。