一村キッズクラブ、活動開始 奄美市

2020年08月30日

子ども・教育

清掃活動に汗を流す一村キッズクラブの会員ら=29日、奄美市名瀬

清掃活動に汗を流す一村キッズクラブの会員ら=29日、奄美市名瀬

  日本画家・田中一村の命日(9月11日)を前に29日、奄美大島の児童生徒が参加する「一村キッズクラブ」の活動が始まった。奄美の自然を描き続けた一村をしのび学ぶことで、子どもたちに文化芸術や郷土を愛する心を育んでもらおうと県奄美パーク・田中一村記念美術館が立ち上げた。初回は奄美市名瀬有屋町の一村終焉(しゅうえん)家屋で清掃活動に汗を流した。

 

 一村キッズクラブには、ボランティア活動や図工・美術に関心のある小学生~高校生が参加。一村終焉家屋の環境整備を中心にスケッチ会や歩こう会などを毎月第3日曜日に行う。現在の会員数は20人。

 

 29日は午前7時から約1時間、名瀬中学校美術部の関係者と一村を顕彰するため有志で組織する一村会(美佐恒七会長)が参加して周辺道路や敷地内の除草、トイレ清掃などに取り組んだ。

 

 活動を終え、名瀬中学校3年の福田結希乃さん(14)は「一村さんの家に来たのは初めて。絵を描く者としていい経験になった。活動を通して学ぶ一村さんのことを身近な人にも伝えたい」と話した。

 

 田中一村記念美術館の有川幸輝学芸専門員(45)は「一村さんは島の宝で家屋には観光客も多く訪れる。子どもたちにぜひ参加してもらって、この地を守る活動を続けてもらえればありがたい」と述べ、美佐会長(72)は「ここから新しい奄美を代表する画家が出てくれば」と期待を寄せた。