伝統の書評合戦、今年も 県覇者・畑さんが3連覇 大高ビブリオバトル

2021年07月10日

子ども・教育

大島高校のビブリオバトルで3連覇を果たした畑さん=8日、奄美市名瀬の同校

 奄美市名瀬の県立大島高校(黒木哲二校長、生徒714人)で8日、愛読書の魅力を発表し合う「ビブリオバトル」があった。県大会4連覇中の同校で、10年目を迎えた伝統行事。生徒一人一人お気に入りの1冊を持ち寄り、白熱した書評合戦を繰り広げた。校内、県大会ともに2連覇中の3年、畑友一朗さん(17)が3連覇を果たした。

 

 ビブリオバトルは、2007年に京都大学情報学研究科内で考案され、教育分野を中心に全国へ広がった。同校では、読書推進の一環で12年から実施。県大会にも毎年参加し、前回まで4年連続で同校の生徒が優勝している。

 

 校内大会は、全学級混合の24ブロック(各30人程度)に分かれて実施。5、6人1組で予選、各組代表者で決勝を行い、相互投票でブロック優勝を決める。持ち時間は1人3分。生徒たちは本の内容や背景、考察などを独自の視点で語り、共感を求め合った。

 

 畑さんは、哲学・思想に関する書籍「デカルトからベイトソンへ│世界の再魔術化」(モリス・バーマン著)を紹介。科学思考に基づく現代社会への示唆的な内容を「不意に心を熱くし、涙を誘う魔法」と評した。結果、ブロック全27票中18票を獲得した。

 

 「哲学に興味がないと難しい内容だが、いつか読んでもらいたい1冊として選んだ」と畑さん。大会については「伝える技術を磨ける機会。真剣に取り組んできて良かった」と、3年間を振り返った。

 

 同校では今後、各ブロックを制した24人から3人を選出。8月、鹿屋市で開催される県大会(県教委主催)に出場する。