児童が伝統の泥染めに挑戦 夏休み体験教室、奄美市名瀬

2020年08月20日

子ども・教育

Tシャツの泥染めを体験した参加者=19日、奄美市名瀬

Tシャツの泥染めを体験した参加者=19日、奄美市名瀬

 奄美市名瀬の本場奄美大島紬泥染公園で19日、夏休み体験教室があった。市内の小学生16人と保護者らがTシャツの泥染めに挑戦。伝統の染色方法を体験し、大島紬の製造工程を学んだ。

 

 体験教室は、本場奄美大島紬産地再生協議会主催の夏休みの恒例行事。奄美市が提唱する毎月15日の「すきすき紬デー」にちなんで企画した。

 

 参加者らは出来上がる模様を想像しながら白いTシャツにチョークで下書きし、輪ゴムで縛った。テーチ木(シャリンバイ)を煮出した液と石灰の液に生地を繰り返し浸した後、泥田に入って泥をもみ込む作業を体験した。

 

 講師の野崎徳和さんは、シャリンバイに含まれるタンニン酸と泥の鉄分が化学反応して発色することや、独特の黒色を出すために、染色作業を約80回繰り返すことなど、大島紬の製造工程について説明した。

 

 Tシャツの輪ゴムを外すと、褐色に染まった布にさまざまな模様が白く浮かび上がった。奄美小学校5年の豊倉佑衣さん(10)は「色も模様もきれいにできた。泥染めは簡単そうと思っていたけど、大変だった」と笑顔で話した。