大川小中で進路学習 有川さん、渡さん体験伝える

2020年09月19日

子ども・教育

中学生へ仕事の厳しさや喜びについて語った有川さん(右)と渡さん=17日、大川小中

中学生へ仕事の厳しさや喜びについて語った有川さん(左)と渡さん=17日、大川小中

渡さん・大川小中で進路学習講座 奄美市名瀬の大川小中学校(前田浩之校長、児童生徒60人)の進路学習講座が17日、同校であった。名瀬で和食料理店を営む有川清寿さん(44)とコミュニティーラジオ局「あまみエフエム・ディ!ウェイヴ」パーソナリティーの渡陽子さん(42)が講師を務め、中学2~3年生10人に仕事の厳しさや喜びを伝えた。

 

 講座は奄美大島で活躍する社会人の体験談を聞き、進路について考えようと毎年開いている。

 

 有川さんは名瀬出身。大島高校を卒業後、福岡の専門学校で調理を学んだ。国内の料理店で修業を積み、オーストラリアの日本料理店で15年間勤務した後、2017年に名瀬の繁華街・屋仁川に和食料理店「有楽 縁」をオープンした。

 

 有川さんは「一つの料理をとっても食材、調理道具、電気やガスなど多くの人の仕事がつながって完成する。どれ一つ無駄にしないように心掛けている」と話し、「お客さんに『おいしかった』と言ってもらえた時は本当にうれしい。料理には完成がなく、世界中で新しいメニューが生まれている。奥深さと面白さがある」と醍醐味(だいごみ)を語った。

 

 渡さんは、東京で仕事をしていた時に奄美で就職したいと思った経緯について「帰省して音楽イベントを見に行ったら、島に住む知り合いが運営で頑張っていて、自分たちの島を自分たちで盛り上げようとする姿に刺激を受けた」と説明。「これからも奄美の隠れた魅力を発信していきたい」と笑顔を見せた。

 

 生徒たちから困難への対応を問われた有川さんは「社会人になると解決しなければいけない問題が同時にいろんな方向からやってくる。常に全力で一生懸命な状態だと新たな問題には対処できない。常に余裕を持ち、新しいことに挑戦できる余力を残しておくことも大切」と助言した。

 

 3年の杜雄依斗さんは「2人の体験談から仕事を決めるまでにはいろいろな道があり、厳しさや困難があることを学んだ。将来はイラストレーターになりたいので、いつか役立てられるよう、きょう伝えてもらったことを大切に覚えておきたい」と話した。