消えた夏~私たちのメッセージ

2020年06月06日

子ども・教育

上から白畑美海さん、平愛海さん、村山涼乃さん、豊紅茉さん

上から白畑美海さん、平愛海さん、村山涼乃さん、豊紅茉さん

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で中学、高校のスポーツや文科系コンクールなどが中止となったことを受け、南海日日新聞社は「消えた夏舞台 その先に」と題する部活動応援企画を始動します。中学、高校3年生を対象に、出場を予定していた舞台の中止発表を受けての思い、後輩に伝えたいこと、保護者・指導者から生徒本人へのメッセージなどをつづります。初回は奄美高校から4部活動の生徒の声を紹介します。

 

◎新人戦で結果を出して

奄美高・ソフトボール部 白畑美海さん

 私はソフトボールが大好きです。小学3年生で始めました。中学の3年間は野球を経験し、高校からソフトボール部に入部。今年は主将を任されています。

 

 昨年10月の県高校新人戦では指宿商業との2回戦を3―4で惜敗し、4強入りを逃しました。この悔しさをバネに「次こそベスト4進出」と練習にも力が入り、チームの団結力もさらに強くなりました。

 

 今年4月の県高校女子春季ソフトボール大会が新型コロナの影響でなくなり、総体も中止が決まったときは、もうソフトボールができないと思い、泣いていました。それでも、顧問の先生に励まされ、学校の教職員チームと試合を行うことで少しずつ前を向くことができました。

 

 先生や保護者のみなさん。私たちがソフトボールに集中できる環境をつくっていただき、ありがとうございました。後輩の皆さんも、新人戦に向けて自分の技術を高めて、私たちの分まで結果を出してほしいです。

 

◎私たちの分まで頑張って

奄美高・吹奏楽部 平愛海さん

 私は吹奏楽部に所属し、部長をしています。楽器はクラリネットを担当しています。新入生歓迎イベントで聴いた演奏にひかれたのが入部のきっかけです。

 

 一番の思い出は今年1月の大島地区文化祭。出演のほか、スタッフとして他校の皆さんと協力してステージの進行や配置など舞台裏の仕事をしたことで、一つの目的を達成する重要性を学びました。

 

 私を含め、3人の3年生にとって高校最後となる7月の県吹奏楽コンクールに向けて、練習を続けてきました。新型コロナの影響で他の大会中止を受け、覚悟していましたが、中止と聞いたときはショックでした。

 

 でも、今まで取り組んできたことは無駄ではないと信じ、コンクールの開催予定日までに演奏曲を仕上げようと、みんなで円陣を組み、気持ちを切り替えて練習しています。

 

 来年のコンクールでは、部員みんなで私たちの分まで頑張ってほしいです。

 

◎演奏で元気を届けたい

奄美高・郷土芸能部 村山涼乃さん

 私は、先輩たちの明るい笑顔と力強い演奏にひかれ、入部しました。奄美の伝統芸能である八月踊や島唄など、歌詞や三線の弾き方、チヂン(太鼓)を使った演奏方法も学んで曲もレパートリーが広がり、島がもっと好きになりました。今は主将として、演奏の要となるメインの太鼓を担当しています。

 

 私たちは島内のイベントや高齢者施設などで演奏して「元気」を発信してきましたが、新型コロナの影響で県の高校総体をはじめ、各種イベントも中止になり、練習の成果を発揮できる場がなくなってしまいました。

 

 でも、今は気持ちを切り替えて体育祭での奄高伝統の八月踊りの演奏、さらに秋に予定されている県の郷土芸能専門部発表会の伝承芸能部門での優勝と全国大会出場を目指しています。

 

 各種催し物の中止や延期が続き、暗い話題が多いですが、私たちの演奏で少しでも明るくできるよう、希望をもって練習を続けます。

 

◎毎日の練習を積み重ねて

奄美高・陸上部 豊紅茉さん

 私は高校で陸上を始めました。最初は練習もついていくのがやっとで、辞めようと何度も思いました。でも部員や先生に励まされ、今では主将を任されています。

 

 2年のときに県高校総体の新人駅伝で私は4区3・8㌔を走り、チームも総合5位という結果を出したことは今でも忘れません。

 

 今年1月の県地区対抗女子駅伝競走大会では4区4・073㌔を任されましたが、調子が上がらず、区間順位も12人中、9位と不本意な結果に終わり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

 

 この気持ちをバネに今年の県高校総体ではトラック競技で決勝に残ろうと、毎日走り込みました。新型コロナの影響で大会が中止になり、目標を失った私は励ましを受けて、県の陸上記録会に向けて練習を積んでいます。

 

 後輩のみなさんへ。大会があるのは当たり前ではありません。練習できることに感謝し、後悔しないよう練習を積み重ねて、結果につなげてください。

 

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 掲載希望者は氏名、学校、部活動名、連絡先、コロナ禍を受けての思いや後輩、生徒へのメッセージを明記し、メールnankaisp@gmail.comへ送付してください。QRコードから専用のフォームを通して応募できます。また、生徒本人からのメッセージ動画も募集中です。