白いダイヤの謎を解け 古高生企画で遺跡巡り

2018年10月30日

子ども・教育

写真などをヒントに、工場の基礎に使われていた白糖石(凝灰岩)を見つけた小学生ら=28日、瀬戸内町久慈

写真などをヒントに、工場の基礎に使われていた白糖石(凝灰岩)を見つけた小学生ら=28日、瀬戸内町久慈

 クイズを解きながら瀬戸内町内の近代遺跡を巡るバスツアーが28日、町内であった。県立古仁屋高校の生徒3人と教諭が企画した歴史探訪イベント。小学生と保護者ら約30人が参加し、白糖工場跡など地域の歴史を楽しく学んだ。主催者の一人、同校2年の濱田怜弥さん(17)は「白糖工場を知ってもらうのが目的。小学生から白糖という言葉が聞けただけでもうれしかった」と振り返った。

 

 ツアーは、濱田さん扮(ふん)する「怪盗U」が出題するクイズを解きながら、「白いダイヤモンド」の正体を追い求める設定。古仁屋高を発着点に、久慈集落の白糖工場跡を目指した。

 

 途中、手安弾薬庫跡や久慈水溜跡に立ち寄り、高校生ガイドが建物の構造や地域の歴史を解説。小学生たちは各地の赤レンガや凝灰岩切石(白糖石)をたどって白糖工場跡に着き、白いダイヤモンドが白糖であることを解き明かした。

 

 奄美大島では幕末~明治期、薩摩藩によって四つの白糖工場が建設され、サトウキビから白糖を製造していた。当時、白糖は高価だったため「白いダイヤモンド」と呼ばれていたという。

 

 指導に当たった米倉秀和教諭は「来年以降も続けていきたい。島内にある他の白糖工場跡については、他校と連携しながら新たなツアーを計画したい」と語った。

 

 家族と参加した櫻井尚佳さん(7)=奄美市名瀬=は「クイズは難しかったけど、怪盗Uを追いかけるのが楽しかった」と感想。ハロウィーンの季節ということもあり、仮装する参加者の姿が見られた。