英語討論で世界に挑む 12カ国交流へ「楽しみ」 大島高校2年生3人 話題の最前線

2022年01月20日

子ども・教育

高校生ディベート世界大会に出場する大島高校英語部の(左から)岡村さん、重信さん、箕輪さん=17日、奄美市名瀬(同校提供)

今月21、22の両日にオンラインで開催される「第7回PDA高校生パーラメンタリーディベート世界交流大会」に、奄美市名瀬の県立大島高校英語部から生徒3人が出場する。社会情勢や時事問題について英語で討論するこの大会。生徒たちは、12カ国の同世代が画面上に集い、交流する本番へ練習を重ねつつ「知らない文化や思想と出合い、学べるのが楽しみ」と胸を膨らませている。

 

PDAは主催団体「パーラメンタリーディベート人材育成協会」の略称。パーラメンタリーディベートとは、一つの論題について肯定、否定各チームに分かれて演説し合い、その説得力を第三者が判定する討論。

 

大島高英語部は現在1、2年生部員18人。世界大会には2年の岡村息吹さん、重信瑚杜子さん、箕輪佳倫さんが出場する。3人は県、全国大会を経験してきた。

 

全国大会は昨年12月にオンラインで開かれ、32都道府県の計84校が出場した。試合は開始15分前に論題が示される即興型。全チーム一斉参加で予選を行い、上位8チームが決勝トーナメントで競った。大島高は予選21位だったが、学校での取り組みを評価する「授業導入優秀賞」を受け、世界大会への出場権を得た。

 

大島高3人の印象に残る論題は二つ。一つは予選第1試合「プラスチック製品に課税をすべきである」。偶然、練習を重ねてきた論題となり「落ち着いて意見を述べ、根拠も具体的に示せた」と口をそろえる。

 

一方で予選第3試合「日本は、北京五輪の外交ボイコットをすべきである」に苦戦。岡村さんは「相手とも言葉の定義をすり合わせ、あやふやな討論は避けた」、箕輪さんは「五輪の政治利用という観点の意見が足りなかった」と振り返る。

 

日々の練習にも触れ「部活動以外でも連絡を取り合い、築いてきたチームワークは試合で発揮できた」と話すのは重信さん。脇本由里香顧問は「大会ごとに振り返りが丁寧で、各自継続的に英語力を磨いている」と3人を評価する。

 

世界大会へ向けては「国籍や母語を問わず理解できる論説に努める」(岡村さん)、「英語力に不安はあるが、海外の人との意見交換は楽しみ」(重信さん)、「相手国の社会的背景を考慮しつつ、自分の意見をしっかり述べたい」(箕輪さん)とそれぞれ語った。

 

英語での討論を通じて、幅広い知識や論理的、多角的な思考、伝える技術の成長を実感している3人。部長である岡村さんは「世界大会出場を機に英語部を知ってもらい、部員が増えたらうれしい」と話した。