身近な動植物に理解深める授業 大島北高

2020年12月02日

子ども・教育

校庭を散策して身近な動植物を観察する生徒ら=1日、奄美市笠利町

校庭を散策して身近な動植物を観察する生徒ら=1日、奄美市笠利町

 奄美市笠利町の県立大島北高校(下髙原涼子校長)で1日、奄美市立奄美博物館の平城達哉さん(29)を講師に招いて生物の授業があった。平城さんが世界各国で撮影した生き物をはじめ、奄美の希少な動植物や生物多様性を支える自然の特徴などを紹介。生徒たちは座学とフィールドワークを通して奄美の魅力や身近な動植物に理解を深めた。

 

 授業は普通科の3年生が対象。卒業後は多くの生徒が島外へ進学・就職するため、「島を出る前に奄美の魅力を再発見してもらおう」と実施した。

 

 平城さんは、奄美大島の生き物をクイズ形式で紹介。アマミノクロウサギやケナガネズミ、アマミイシカワガエルなどを写真で示しながら特徴を解説した。

 

 世界自然遺産登録を目指す同島について、「一言でいえば、深い森があって希少種や固有種がたくさんいるのがすごいところ」と述べ、希少種を襲うマングースや野生化した猫の問題など登録に向けた課題と、その対策なども紹介した。

 

 座学の後は校庭に出て身近な動植物を一つ一つ解説。ガジュマルやリュウキュウコスミレ、ゲットウ、シリケンイモリなどが見られ、生徒たちは興味深そうに足元の自然に目を凝らしていた。

 

 平城さんは自身の経験から、「島を出ると必ず奄美がどんなところなのか聞かれるはず。皆さんにはぜひ自然や文化について勉強していってほしい」と呼び掛けた。

 

 県本土への進学を希望している碇山春佳さん(17)は「自然がある環境で生活してきたけど、見たことがあっても名前が言えないものが多かったので面白かった。これからしばらくは下を見ながら歩きそう」と笑い、「今回は動植物だったけど、平城さんがおっしゃったように島を離れるまでに文化についても、もう少し深く学びたい」話した。