野生生物保護で功労者表彰 笠利町・佐仁小

2019年06月06日

子ども・教育

受賞を喜ぶ子供たち=5月22日、奄美市笠利町(提供写真)

受賞を喜ぶ子供たち=5月22日、奄美市笠利町(提供写真)

 オオゴマダラの飼育・観察活動に取り組む奄美市笠利町の佐仁小学校(花房八重子校長、児童13人)は5月12日、東京都であった第73回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」野生生物保護功労者表彰式(環境省、日本鳥類保護連盟主催)で環境省自然環境局長賞を受賞した。表彰状を受け取った柏本啓太教頭は「佐仁校区の方々と歴代の先生方、そして佐仁っ子たちの長年の努力が認められ重みを感じる。今後とも活動を充実させ佐仁小の宝を大切に守り育てていきたい」と述べた。

 

 野生生物保護功労者は、野生生物保護思想の普及啓発や保護のための環境管理、生態調査、研究活動などに顕著な功績のあった個人や団体から毎年選考。本年度は13団体・個人が受賞した。

 

 オオゴマダラは奄美以南の地域に広く分布する大型のチョウ。羽は白黒のまだら模様で、黄金色のさなぎが特徴。同校は2003年、校内に飛来したオオゴマダラが食草のホウライカガミに産卵したことを受け飼育小屋を設置。校区民の協力を得ながら、04年から繁殖・保護活動と子どもたちによる飼育・観察活動を続けてきたことが高い評価を受けた。

 

 飼育・観察活動のアドバイザーとして16年間中心的に携わってきた佐仁集落在住の奥道子さんは「このような賞を佐仁小学校が受賞したことはうれしく誇らしい。今後も子どもたちのためオオゴマダラのために協力していきたい」と語った。

 

 後日、表彰状と盾を手にした子どもたちも受賞を喜び、5年の中尾瑠依君は「これまで以上に飼育活動を頑張りながら観察の仕方やまとめ方を工夫して、たくさんの人たちにオオゴマダラの素晴らしさを伝えていきたい」と意気込んだ。

 

 同校は、本年度から県の環境教育研究指定校としてオオゴマダラの飼育・観察活動を中心に2年間の研究に取り組む。

羽化直後のオオゴマダラと金色のさなぎ=2017年6月29日、奄美市笠利町(提供写真)

羽化直後のオオゴマダラと金色のさなぎ=2017年6月29日、奄美市笠利町(提供写真)