ISS中継で宇宙学ぶ 古仁屋小児童らも視聴 文科省・JAXA主催

2021年07月08日

子ども・教育

ISS機内で水が球体のまま宙に浮く状況を実演する星出さん=6日、瀬戸内町の古仁屋小学校

 文部科学省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、国際宇宙ステーション(ISS)から中継放送する特別講座を動画投稿サイト・ユーチューブで配信した。瀬戸内町の古仁屋小学校(鶴田和仁校長、児童297人)では、児童と保護者ら約30人が視聴。無重力ならではの生活や現象などを実験も交えて学び、宇宙を身近に感じた。

 

 文科省のGIGAスクール構想で学校に配備された通信機器(タブレット端末)を活用し、遠く離れた宇宙飛行士から学ぶ教育活動。ISSと中継をつないだ午後6時ごろ、同サイトで生放送し、全国各地の小学生らがアクセスした。

 

 講師は、ISSに長期滞在中の星出彰彦さん(52)。2014年の若田光一さん(57)以来、日本人2人目のISS船長に就任した。地上会場の茨城県、筑波宇宙センターでは、宇宙飛行士の油井亀美也さん(51)も参加した。

中継放送を見る児童ら=6日、瀬戸内町の古仁屋小学校

 

 中継に先立ち、宇宙やISSに関する講話があった。油井さんらの解説によると、ISSは上空約400㌔㍍を、秒速約7・7㌔㍍(地球一周約90分)で飛行。体は宙に浮き続け、骨や筋肉が衰えやすいため、毎日2時間のトレーニングが欠かせないという。

 

 星出さんは中継で、無重力下の水の状態に関する実験を披露。▽水は球体のまま宙に浮く▽コーヒーと牛乳はちゃんと混ざる│状況を実演した。子どもたちから宇宙食の提案や質問も受け、「宇宙には無限の可能性があり、挑戦する気持ちが大切」と伝えた。

 

 古仁屋小4年の橋本群蔵君(9)は「もっと詳しく調べて、宇宙に行きたいと思った」と感想。一緒に視聴した母・香織さん(40)は「宇宙食の種類の多さに驚いた。宇宙でも食文化交流できると思い、ロマンを感じた」と話した。