ナイトツアー規制三太郎線実験結果を報告 奄美市住用町

ナイトツアー規制について意見交換した住民ら=9日、奄美市住用町

  環境省などは9日夜、奄美市住用町の市道三太郎線周辺で今年の大型連休に実施したナイトツアー規制の実証実験に関する住民説明会を同町の住用公民館で開いた。期間中は予約をしないで通行した車両が3割以上を占め、1時間4台とした台数の上限を上回る日もあるなど、実験ルールの違反が相次いだ。同省は周知の徹底と、繁忙期は現地にスタッフを配置するなどルールの実効性を確保し、地元関係者との合意を経て、10月ごろに夜間の車両通行規制を試行的に開始する方針を示した。

 

 実証実験は夜間にアマミノクロウサギなどを観察するナイトツアーの増加を受けて、希少動物の交通事故や通行をめぐる利用者同士のトラブルを防止することが目的。4月29日~5月9日の午後7時から翌朝6時まで、三太郎線の通行はインターネットなどで申し込んだ予約者のみとし、利用台数を制限。案内板を設置して、時速10キロ以下で走行することなど、野生生物を観察する際のルールを周知した。

 

 現地にスタッフは配置せず、自動撮影カメラで利用状況を調べた。期間中に通行した車両は計151台で、そのうち予約をしていない車両が49台に上った。三太郎線から森の奥へ延びる市道スタル俣線は野生生物が多く、世界自然遺産の推薦区域が含まれるため通行止めとしたが、5台の通行が確認された。

 

 実験結果を報告した環境省は、実験ルールの違反が相次いだことを受けて、「ルールに実行力、抑止力を持たせる工夫が必要」と指摘。観光客や地域住民への周知を徹底し、予約システム上でガイド事業者名を公表することや、年末年始や夏休みなどは現地でスタッフが予約確認を行うなどの対策を示した。

 

 説明会には地域住民やガイド、自然保護関係者など約30人が参加した。意見交換では「通行料を徴収すべき」「ナイトツアーはガイド同伴に限定して」「予約者に許可証を発行してほしい」などの要望があったほか、「世界自然遺産に登録されれば夏休みに大勢の観光客が来る。規制がなければ混乱するのでは」と懸念する声もあった。

 

 奄美群島国立公園管理事務所の山根篤大国立公園保護管理企画官は「住民やガイドの意見を整理して試行ルールに反映したい。ナイトツアーは奄美大島の大きな魅力の一つ。野生生物への影響を抑え、ツアーの質を保つためにルールを守って利用する必要がある」と述べた。